「市政の疑問にお答えします」アーカイブ


「市民の疑問にお答えします」コーナーで過去に掲載された記事を一定期間保存しておくためのコーナーです。このコーナーの記事は、一定期間経過後削除しますのでご了承ください。

 


江川地区の土地区画整理事業と自然保護について

 新たに江川地区で土地区画整理事業が始められようとしていますが、この地区にはオオタカ等の稀少な動植物が存在するといわれており、このような自然に恵まれた地域を開発することによって稀少な動植物が失われることにはならないでしょうか。
 野田市は、開発と自然との調和をどのように考えていますか。


A.

耕作放棄地の無秩序な土地利用を防ぐために

 新しい総合計画では、「都市構造・土地利用の方向」の中で都市構造を支える交通ネットワークの形成を推進する一方で自然と調和したコンパクトな市街地の形成を推進することとしております。
 区画整理事業については、森林等昔からの緑についてはできるだけ残しながら、地権者の私的所有権に対する配慮も十分踏まえつつ、バランスのとれた魅力あるまちづくりを行っていきたいと考えております。
 江川地区は、野田市の南東部に位置し、計画地の大部分が耕作放棄された田園地帯となっています。その背景としては、約20年前から「農業従事者の高齢化」、「後継者不足」、「減反」といった全国各地で聞かれる農業構造上の問題と並行して、年々、耕作放棄が進んできたことから、地元では組合土地区画整理事業によるまちづくりを望む機運が高まり、平成5年9月には地権者が集まり、『野田・柏江川土地区画整理組合設立準備会』を結成し、事業化に向けた調整、検討が進められてきました。
 また、常磐新線の整備が促進されるなかで、江川地区は新駅と予定されている柏北部東駅から約3kmに位置することから、人口等の新たな集積と広域的な交通拠点機能としての役割が求められます。
 したがって、当該地域をこのまま放置すると無秩序な開発、土地利用等により地域の荒廃化が進むことが懸念されることから、計画的な土地利用の転換、整備を行うため、新しい総合計画のなかで、野田・柏都市計画事業(仮称)江川土地区画整理事業を基本目標6の"さまざまな「人とふれあいのまち」"で主な事業として位置付けております。

写真 事業区域
 利根運河堤防から江川排水路上流方向へ
(クリックすると拡大写真がご覧いただけます)


 図1 事業区域位置図

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浸水対策のための河川整備が緊急の課題

 また、本地区の中央を流れる江川排水路は、上流部にあたる野田梅郷団地等の開発による市街化率の上昇に伴い、下流部で度々浸水しており、周辺地域を含めた治水対策として、排水路の河川整備が緊急の課題となっています。
 さらに、本地区は、現在、国土交通省と沿川の自治体で策定中の『江戸川沿川基本構想』において、「水と緑で結ばれた潤いと安心のあるまちづくり」を整備目標として、利根運河の高規格堤防(スーパー堤防※1)と一体的に整備する地区として位置付けられています。
 本地区の土地区画整理事業が実施されることにより、事業のなかで、計画地内の江川排水路が改修され、また、国土交通省による高規格堤防事業が共同事業で行われることになり、治水対策の進んだまちづくりが図られることになります。

※1 高規格堤防(スーパー堤防)整備事業
 現在の堤防の宅地側に土を盛って、堤防の幅を高さの30倍程度にし、ゆるやかな勾配を持った幅の広い堤防を整備する事業。万一、大洪水によって、水が堤防を超えても、水は斜面をゆるやかに流れ、破堤による壊滅的な被害からまちを守ります。スーパー堤防とも呼ばれています

市街化区域編入地区(特定保留フレーム区域)に位置付け

 本地区は、現在、市街化調整区域であり、土地区画整理事業を施行するためには、まず、市街化区域へ編入する都市計画手続きが必要となります。
 この手続きについては、平成11年3月に千葉県知事の「市街化区域及び市街化調整区域に関する都市計画の見直しについて(県下一斉線引き見直し)」の通知を受けて、開始されました。
 一方、平成11年6月に『環境影響評価法』が施行されたことにより、環境に大きな影響を及ぼすおそれのある事業を実施する場合、その事業の実施に伴って生ずる環境への影響について、事前に調査・予測・評価するとともに、環境保全措置の検討を行い、住民や行政機関などの意見も取り入れつつ、その事業の実施の際に環境保全への適正な配慮を行うこととなる、環境影響評価が必要となりました。
 土地区画整理事業が実施される本地区は、面積要件等から、環境影響評価対象事業に該当するとされたことから、その手続きも同時に進められることになります。
 このため、今回の一斉線引き見直しでは、江川地区を市街化区域へ即時編入するのではなく、事業が確実な時点で市街化区域に編入することができる特定保留フレーム区域に位置付けられました。

資料1 対象事業の内容(環境影響評価方法書より抜粋)
図2 土地利用方針図(環境影響評価方法書より抜粋)

環境影響評価手続きにより周辺環境に調和したまちづくりを

 環境影響評価法では、対象事業が市街地開発事業(土地区画整理事業等)として都市計画に定められる場合、当該都市計画の決定をする都道府県知事または市町村が事業者に代わって、環境影響評価手続きを行うこととされております。
当該事業については、都市計画決定権者である千葉県知事(都市部)が手続き実施者となることから、平成12年3月に事業者から千葉県(都市部)へ環境影響評価の実施についての依頼があり、手続きが開始されました。
 環境影響評価の手続きは、まず、千葉県(都市部)が、法に基づき対象事業に係る環境影響評価を行う方法(調査、予測及び評価の手法)について記載した環境影響評価方法書を作成し、同年の8月上旬に管轄知事となる千葉県知事(環境部)、野田市長及び柏市長に送付し、それぞれにおいて環境の保全の見地からの意見が求められました。
 このため方法書について気象、自然環境等、各環境項目の学識経験者によって構成される千葉県環境影響評価委員会、また、市議会議員、学識経験者等さまざまな分野の代表者により構成される野田市環境審議会及び柏市環境審議会へ諮問され、その答申結果を踏まえて、それぞれの意見が形成されることとなります。
 また、環境影響評価方法書については、1カ月間の縦覧を行い、広く環境情報を収集するため関係地域に限らず、誰でも環境の保全の見地からの意見を述べることができると法に定められていることから、同年の9月5日から1カ月間の縦覧を行うとともに、10月19日まで意見書を受付した結果、合計19人の縦覧者、5通の意見書が提出されました。
 これを受け、千葉県(都市部)は、意見書の概要を記載した書類を作成し、11月中旬には方法書と同じ関係者に送付しております。    
 以上の手続きを経た上で11月下旬に環境の保全の見地からの市長意見が千葉県知事(環境部)へ提出され、平成13年1月中旬に千葉県知事(環境部)意見が出されました。
 今後、千葉県(都市部)は、この知事意見を勘案し、また住民意見に配意して環境影響評価の項目等の選定を行い、事業者の協力を得て、現地調査等の環境影響評価手続きが進められることとなります。
 江川地区の自然環境については、市民や環境団体等が行った調査結果の報告、また平成6年度に組合設立準備会が事業予定地及び周辺地域における現況の環境特性を把握するため、大気質、騒音、振動、動植物等の項目について行った現地調査結果から、貴重な動植物が存在していることは、野田市としても認識しています。
 これらの現地調査結果の一部については、環境影響評価方法書の動植物の生息、または生育、植生及び生態系の状況の項目のなかに既存データとして記載されています。
 なお、当該区画整理予定地及びその周辺地区には、貴重な動植物が生育・生息しており、当該地区を含めた周辺地区の自然環境保護対策を検討しようと進めているところであります。
 江川地区の区画整理事業は、環境影響評価法の施行後、方法書段階から広く住民等から意見の提出が可能な千葉県初の法に基づく環境影響評価対象事業であり、今後、法制度に基づき、手続きが進められるなかで、本地区についても適正な配慮がなされ、対応が図られるものと考えております。

【都市整備部 区画整理課】