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特集 介護予防10年の計「シルバーリハビリ体操とは」(1)

ページ番号 1012740 更新日  平成29年12月27日 印刷

シルバーリハビリ体操って何ですか?

先生、シルバーリハビリ体操って、何ですか?

日本の高齢化は世界に前例がない速さで進み、どの国もこれまで経験したことがない、世界一の超高齢社会を迎えています。
さらに、7年後の平成37(2025)年には、団塊の世代の方が後期高齢者(75歳以上)となり、全人口の4人に1人が75歳以上となるため、医療や介護の専門職の圧倒的な不足が予想されます。
その2025年問題に対応するため、市では、29年度に従来の介護予防事業を刷新し、シルバーリハビリ体操を中心とした6つの戦略を「介護予防10年の計」として進めています。
今回、同体操の考案者である大田先生を中心に、茨城県で同体操を推進する先生たちに、昨年12月のお忙しい中、素朴な疑問を伺ってきました。

「最後まで自力でトイレに行きたいでしょ」

シルバーリハビリ体操は、元気な人が早めに取り組めば、それだけ効果が出るのでしょうか

(大田)体操は、元気な人だけのものではないんです。
シルバーリハビリ体操は、リハビリ医学や運動作用学の考えに基づいて、寝たきりの人から健常者まで幅広い人ができる。
全国各地にある介護予防体操との大きな違いは、まさにそこ。
年をとっても、障がいをおっても、どんな状態でも最後まで人間らしくってことなんですね。
リハビリテーションは、「ふさわしい」「適している」という意味のラテン語「ハビリス」から来ている。
シルバーリハビリ体操は、簡単な動きで関節の柔軟性が高まるし、筋力の維持や強化も期待できるので、例えば筋力が落ちてきてあんまり運動のできない人でも、自分のペースで効果を出せます。

筋力アップがシルバーリハビリ体操の目的じゃない

(大田)そう、この体操とは最後の最後までの付き合いですよ。
年とともに高齢者の筋肉は衰えていくので、筋力アップ体操はできない。
リズム体操も、年を重ねるとリズムが取れない。
自分もね、後期高齢者だけど、三三七拍子なんて最後にはリズムが合わなくなっちゃう(笑)。

(一同)(笑)

(大田)もちろん、筋力アップやリズム体操を否定しようとするものじゃないんです。いろいろやっていい、でも介護予防のことが気になりだしたら、ぜひシルバーリハビリ体操をおやりなさいと言いたい。
テニスやマラソンを楽しむ元気な人もいいけど、永遠に続けることはできないでしょう?
弱っても、なるべく医者の世話にならず、自力で身の回りのことができる生活を勧めるのが行政の仕事なんです。
例えば、年をとると食べたり、飲んだり、噛むことが難しくなりますよね。最悪それらは栄養失調や肺炎の原因に……。

そこで、普段からの嚥下体操や発声練習が大切なんですね

(今)舌の体操や唾液を飲み込む訓練や、「ぱ・た・か」って発声したり。「ぱ」は唇、「た」は舌、「か」は喉の奥を使うので、飲み込む順番で簡単に鍛えられます。

(大田)自分のことが自分でできるのって、本人も周りの家族の人も幸せなことなんですよね。
みなさんも、「できることなら最後まで自力でトイレに行きたいなぁ」と思うでしょう?
でもね、それにはしがみついてでも20秒から30秒立って、便器に10分程度座っていられる力が必要なんですよ。
シルバーリハビリ体操は、この「最後まで尊厳を持って、人間らしく」という願いに応えるように作られているんです。

大田先生
医学博士
大田 仁史(おおた ひとし)先生
シルバーリハビリ体操の考案者。医療専門職を養成する病院を日本で初めて立ち上げるなど、リハビリ医療・介護予防の第一人者

住民が住民を育てる

シルバーリハビリ体操指導士養成講習会では住民を指導士にしてその指導士が別の住民に教える。なぜ、専門職に講師をずっとお願いしないのですか

(小室)「住民が住民を育てる」というのが先生の狙いの1つ。

(大田)冒頭で説明されましたが、将来、医療や介護など専門職が不足するのは避けられませんよ。
これって、これまでのように専門職が現場の中心だと、人手が足りずに運営できなくなってしまうってことなんです。

(今)だから、住民が住民を育てる仕組みが必要なんですよね。

(大田)住民が主役のサイクルなら、専門家はその一部に関わるだけでいいので、専門家が少なくなっても大丈夫でしょ。
「自分の尊厳を最後まで持って」の自助の努力に加え、「住民が住民を健康にする」互助の努力は、これからますます社会から求められる要素ですよ。

2040年問題を見据えて

(大田)いままでの取り組みは、現場に出てこられる人への話。

では、大田先生は自力では家から出てこられない人への対策もすでにお考えなのですか

(大田)訪問と送迎しかない。
でも、指導士が他人の家に訪問できるようにするためには、行政がやらなくてはいけないことがたくさんありますよね。
なのに、行政が自らブレーキをかけてしまうのも現実でしょ。行政の背中を後押しするのは、住民の力、マンパワーしかないんだって。

(小澤)実際、シルバーリハビリ体操を初めて取り組んだ茨城県では、住民パワーが特に進んでますね。

(大田)県レベルでは日本で一番。2040年問題に先の見通しを持って、対策を次から次へ実行してます。

(小室)団塊ジュニアが高齢者になり多死時代を迎えるのが2040年問題。茨城県では2040年を見据えて動き出している。

(大田)2040年問題へしっかりとした見通しを持って対策を講じていれば、2025年問題への対策なんてその一部。

(小室)大田先生は、そのときには100歳を超えていますね。

(大田)104歳!まだまだ現役…。

(一同)(笑)

(大田)事業成功には、長期的と中期的、短期的目標がしっかりとしていることが必須ですね。
住民中心の事業は、国の制度とは関係のないものだから、自分たちで長期的目標をしっかりと打ち立てないといけない。

(小室)住民中心だからこそ、長続きしている面もありますよ。
やっぱり行政主体の事業だと、制度が変わると事業自体も途切れてしまうんです。
だけど、シルバーリハビリ体操には、住民に自分たちが学んだものを「次の世代につなげていきたい」「地域でやっていきたい」という気持ちがあるからこそ続いていくし、その思いをフォローするのが私たちの役割ですね。

「勉強できるのが楽しいって言うんです」

1人1人の情熱が電動力

茨城県で始まったシルバーリハビリ体操は、各市町村に1人2人の指導士からスタートしたと聞きました

(小室)県立健康プラザで確保できた教室が定員40人だったので、44市町村とすると、どうしても1人2人の割合に……。

(大田)最初は苦労したね。市町村は体操を知らないし、教室のスペースは確保できないし。

(小室)そんな状況で指導士は「体操をさせてください」と、地元の役所に通ったんです。
行政から「じゃあやってみてください」と言われて、実演してみると「ああ、いい体操ですね」と言ってくれるけど、そこからなかなかうまく……(笑)。
それでも、みんなで集まって「どうしていこうか」と語り合っているのを聞いて、私たちもすごいなぁって。

(小澤)その情熱が、シルバーリハビリ体操を浸透させていったんですよね。

(大田)彼らは体操を切り口にした活動集団。いい組織をつくるにはいい活動家を、でしょ。
今の養成講習会でも、終わってから2時間くらいは、反省会をやっているね。私なんか「もうおよしなさいよ」って言って先に帰らせてもらうけど(笑)。

(今)一級指導士の実習生が自分で反省をしつつ、自分で答えが出ないようであれば助言をしてあげているんですね。すっごく熱心で、終わらせてくれないんですよ(笑)。

(小澤)「学ぶことが楽しくて、あっという間」と皆さんおっしゃってますね。

(今)今までの体操教室での指導法を見直す機会にもなるんですって。皆さん、「この年になってまた勉強できることが楽しい」って言うんです。ほんとに素晴らしくて……。
大田先生の言葉なんですが、「専門職だからやってあげたい、引っ張ってあげたいという思いがあると思うけど、そうじゃない、住民はすでに熱いんだ。ちょっと火を付ければわっと情熱が広がるんですよ」って。本当にその通り!

(大田)指導士はみんな情熱があって根性が据わっている、特に立ち上げの初期メンバーはね。
だから、野田市でも初期に養成された指導士にはう~んと強い根性と情熱があるって信じてくださいね。

野田市でも現在、26人の指導士が誕生しましたが、指導士から「早く指導士会を立ち上げてほしい」と要望されています

(今)担当者はもっと人員を増やしてからのほうがいいかなって悩んでいるようでしたね。

(小澤)いや、20人もいれば十分にやっていけますよ。茨城県で実証されていますから。
人数じゃなく、問われるのは1人1人の情熱の総量です。
積極的な活動を行う自治体の指導士さんが言っていた、「私たちは、1つの教室が1つのコミュニティだと信じている」という言葉がまさに、情熱で結ばれた指導士の行動力のすごさを表していると思うんです。

(大田)それを本当に実感したのが、東日本大震災や常総市の災害。彼らは自分の判断で、誰よりも早く避難所に入っていって、ボランティア活動していたんですよ。

(小室)災害対策に追われていたので、私たちはあとから新聞記事で彼らの活動を知ったんですけど……。

(大田)その影響は大きくて、記事を読んだ岩手県も取り組まなければならないと考え、今では、岩手でもやり始めましたよ。

今先生
理学療法士
今 絵理佳(こん えりか)先生
病院勤務ののち、茨城県立健康プラザのシルバーリハビリ体操指導士養成講習会で講師を務める。熱意をもって親子ほど年の離れた人を指導する毎日

「講座にやる気にさせる秘訣があるんです」

講師の情熱が指導士の情熱に

(大田)集団の持つエネルギーってすごいんです。これを上手に活用するには、なんてったって養成課程が肝心。
だから、養成課程の作成にはずいぶんと苦心したね。スタッフと一緒になって「学ぶ順番はこれがいい」「ここでテストを入れたほうがいい」って工夫してね。だから、みんなで作った養成課程なの(笑)。
講義時間も最初はずいぶん詰め込んだ50時間だったけど、参加者が力をつけて、彼らの自己修正で、40時間となり、今では30時間程度に濃縮された。

日常生活動作にはどんな筋肉や関節が関係しているのか、詳細に書いてあって本当に専門的です

(今)私も初めて見たときは、60歳を超えた方々にこんなことを教えても覚えられないだろうし、「一体なんの役に立つのだろう…」って思いながら授業を受けちゃうんじゃないかなって思っていました。

(小室)でも、全然そんなことなかったでしょう(笑)。

(今)そうなんです(笑)。茨城県には65歳以上の指導士が現在8千人いるんですが、みんな「腰が痛い」という悩みには、「じゃあ、腹筋群を鍛える体操をしたほうがいいよ」と言えるんです。
これってすごくないですか?皆さん、解剖学の知識が頭に入っているんですよ。
それに、学んだことを地域で伝えたいという気持ちも、とても強いんです。
それは、「死ぬまで元気で」「介護されない体づくり」という大田先生の考え方が浸透しているからなのかなぁ(笑)。

(小室)養成課程には、それだけ人をやる気にさせる秘訣があるんです。
大田先生いわく、「高齢者だから簡単なことだけを教えるのではなくて、専門的内容を少なく選んで教えている」。

(大田)「素人相手だからこのへんでいいじゃないか」と言うのは、ダメ。
専門的に絞り込んでいったら、完成したのが108項目の運動・解剖にかかわる専門用語と92種類の体操を覚える養成課程。
このあいだも、指導士の方が、テレビの健康番組を見て、「レベルが低いですね」って私に嘆くぐらいですからね(笑)。

地域づくり仲間づくり

養成講習会の雰囲気はどうですか

(今)熱意のある人たちばかりなので、講習会以上の人の結び付きを感じますね。講習会後の雰囲気は、学校の放課後というか、女子会みたい(笑)。
ここでなければ出会わなかった近所の人っていうのもあると思うんですよ。
こうやって点と点が線でつながって、ネットワークができあがっていくんだなぁって。

(小澤)夫婦での参加や、高齢のお母さんを送迎するついでに、娘さんも参加してくれる親子もいらっしゃいますね。

(今)大田先生を筆頭に、体操をしている人は、若々しいんです。
きっと体操を通して健康に興味を持ってくれるんでしょう。

小室先生
保健師
小室 明子(こむろ あきこ)先生
茨城県立健康プラザの介護予防推進部長。現在、シルバーリハビリ体操指導士養成に加え、全国の体操普及のための相談役も担う

「活発な自治体では要介護認定率が低い」

シルバーリハビリ体操に取り組む市町村ではどのような効果が得られたのでしょうか

(大田)要介護の認定率が抑えられる見通しはありましたが、県全体でデータが集まるのに、5年必要でした。
5年って、知事の1任期分で、その間、知事は、何も言わず待っていてくれたんですね(笑)。

(小澤)44市町村のデータを統計学的に分析してみたら、活動が活発であった市町村の方が、そうでなかった市町村よりも要介護認定率が低く、介護保険料が低く抑えられているというデータが得られました。
介護保険料が少ないってことは、それだけ元気な高齢者が多いという、大きな証拠です。指導士さん1人1人の熱い思いと行動が、この結果を引き出してくださったんだと思うと、感謝の気持ちでいっぱいです。

最後に、これからシルバーリハビリ体操に取り組む野田市民へのメッセージをお願いします

(大田)要介護認定率を抑えて、介護保険料を下げられるのは、今後の介護予防対策の大事な結果。最終的に科学的な結果も出てきました。
1人や2人の専門職しかいないような市町村でも、熱い思いがあれば目に見える効果が出たというのは今後の取り組みの大きな原動力になるでしょう。
これからは、医療や介護などの専門職に頼るのではなく、住民が主役になって、健康長寿に働きかける時代です。
シルバーリハビリ体操は、最後まで自分のことは自分でできる「人間そのままのあり方」と、「住民が互いに助け合う仕組み」で人の尊厳と人の輪を守ります。
いままでの取り組みから、情熱のある住民の方が中心になって活動すれば、地域の介護予防にはっきりとした効果が出てくるんです。
野田市の住民の方も、ぜひ、講習会に参加していただき、指導士の仲間と介護予防による地域づくりに活躍してください。

小澤先生
博士(スポーツ医学)
小澤 多賀子(こざわ たかこ)先生
シルバーリハビリ体操の科学的な実証データを研究。同体操の普及を科学的な側面からアプローチしている

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