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身体の”熱”の発生源は筋肉(市報のだ10月15日号掲載)

ページ番号 1018185 更新日  平成30年10月17日 印刷

監修者の柳田信也先生の写真
(監修:柳田信也先生)

東京理科大学の准教授、柳田信也先生にお聞きしました。

筋肉の意外な!?働き

筋肉の働きと言えば、物を持ち上げたり、走ったりする運動、すなわち力を発揮することであると多くの人が答えるのではないでしょうか?もちろん、力発揮は筋肉の最も重要な働きです。しかし、筋肉にはほかにも重要な仕事があります。

それは、我々の身体の“熱”を作ることです。これを熱産生と呼びます。我々は、外部環境の温度によって体温が変動することが無い恒温動物です。どれだけ寒い環境にいても、暑い環境にいても病的にならない限りは人間の体温(いわゆる平熱)は一定に保たれています。特に身体の内部の温度(深部体温)は、よほどのことが無い限り37度付近に安定するようにかなり精密に維持されています。

熱産生と熱放散
筋肉が熱産生して、発汗が熱放散をすることで核心部の温度は37度付近に保たれます

なぜそれほど精巧な温度管理が我々の体内では行われているかというと、ヒトの細胞や組織が適正に働くことができる温度だからです。この温度が変動するとヒトの身体機能が維持できなくなることがあります。

例えば、深部体温が酷暑環境によって維持できなくなり、上昇してしまうと熱中症となり、命の危険にさらされるのが典型的な例と言えるでしょう。

一方で、寒い場合には無意識にふるえたり、小刻みに動いたりします。この行動こそが、筋肉が持つもう一つの重要な働き、「熱産生」に関連しています。専門的にはこれらの行動は、行動性体温調節と呼ばれます。恒温動物である我々人間は、体温を一定に保ち、適切な生命現象を維持するために、熱を身体の外に放出し体温を下げたり、逆に熱を作って(熱産生)体温を上げたりしています。この熱を作る主役が筋肉であったわけです。ちなみに熱を放出する(熱放散)働きの主役は発汗です。

 

 




基礎代謝と筋肉

筋肉のイラスト
車のエンジンのように、筋肉は力を発揮するときに熱を産生します

我々の身体の中で、筋肉が熱産生をする仕組みはエネルギー代謝と深く関わります。車が走るためにガソリンが必要なように、筋肉が力を発揮する(収縮する)際にはエネルギーが必要です。体内でそのエネルギーを産生する際に熱が発生します。
特に運動中には筋肉にはたくさんのエネルギーが必要となりますので、エネルギー代謝が活発になります。発汗などによって、熱を下げようとする働きも起こりますが、これを上回るエネルギー代謝が起こるような運動を行った場合、筋肉にたくさんの熱が発生することになります。運動すると身体が熱くなったように感じるのはこのためです。

もうひとつ、筋肉とエネルギー代謝において重要なキーワードがあります。それは、「基礎代謝」です。ご存知の方も多いかもしれませんが、基礎代謝とは、”安静にしている状態で生命維持のために消費される必要最低限のエネルギー代謝量”と定義されています。つまり、心身共に落ち着いた状態で、組織や器官が働くために必要なエネルギーであると言えます。車のアイドリングと同じように、我々は何もしなくてもエネルギーを消費しているのです。実はこの安静時のエネルギー消費が見過ごすことができないほど大量です。一日に消費される総エネルギー消費は、大きく分けて基礎代謝、身体活動による代謝、食事誘発性熱産生(DIT)に分類されます。

この3つの総エネルギー消費における内訳は、基礎代謝が約60%、身体活動が約30%、DITが約10%となっています。我々は、驚くほどのエネルギーを動かずに使っていることがわかります。生命を維持することは大変な作業であるとも言えます。

基礎代謝のグラフ
エネルギー消費の大半を占めるのは基礎代謝

このように大変重要な役割を持つ基礎代謝ですが、実は筋肉の量に依存して高くなることがわかっています。筋肉量が多い人ほど、基礎代謝量が高い値を示します。
逆説的に言えば、筋肉量を増やせば、何もしなくてもエネルギーを消費する身体になるというわけです。このことから基礎代謝量を上げることが肥満の予防に効果的なのは言うまでもありませんが、前述した体温を維持する働きにおいても基礎代謝が高いことが有益であると考えられます。

基礎代謝量は、10代後半をピークとして、一般的に加齢に伴って低下していきます(ガイトン生理学,第72章「エネルギー論と代謝量」Elsevier)。その原因は、加齢に伴う筋肉量の減少であると言われています。

ガイトン生理学より引用・作図
基礎代謝の低下と筋肉量の関係(ガイトン生理学より引用・作図)

中高年期に肥満になりやすいのは、身体活動量の低下とこの加齢に伴う基礎代謝量の低下が関係していると考えられます。さらに、これまで述べてきたようにエネルギー代謝の低下は体温変動にも大きく影響しますので、活力ある生活や病気にかかりにくい身体にも影響が及びます。
日常的に筋肉量の維持・増進を目指すようなトレーニングの重要性がこの事実からも浮かび上がってきます。




鍛えられるのは筋肉だけ

寒くなりますが筋肉を鍛えましょう
寒くなりますが、筋肉を鍛えましょう

基礎代謝量が生命維持のためのエネルギー代謝であるならば、筋肉以外の器官もたくさんのエネルギー消費に関わっているのではないか?と思われる方もいらっしゃるかもしれません。
もちろんその通りです。基礎代謝量に占める各器官・組織の比率は、最も多いのはやはり筋肉でおよそ22%、次いで肝臓が約21%、脳が約20%となっている(厚生労働省e-ヘルスネット「ヒトの臓器・組織における安静時代謝量」,糸川嘉則ほか 編 栄養学総論 改定第3版 南江堂, 141-164, 2006.)。

つまり、基礎代謝量の2/3はこの3つの臓器で占めていることになります。肝臓を違った意味で鍛えている方はいらっしゃるかもしれませんが、肝臓や脳の組織量を劇的に増やすことは不可能です。その意味において、鍛えることができるのは筋肉しかないと言えるでしょう。加齢とともにどんどん低下してしまう基礎代謝量を維持するためにしっかりと筋肉を鍛え、筋肉量を維持していきましょう。
これが活き活きした生活の重要なカギです。





体温と健康

寒がる女性
筋肉が多いと基礎代謝が大きく、寒さに強い体になります

子どもは風の子という言葉もあるように、子どもの体温は大人よりも高いと一般的に思われています。
しかし近年、低体温の子どもが増え続けていると言われています。機械化や自動化が進む現代社会の構造に加え、ゲームなどに興じる“遊び”の変化による身体活動量の減少が影響していると考えられています。

低体温の子どもたちは学校や家庭での日常生活において、意欲が低く、元気がない状態で、時差ボケ生活となっており、心身の健康に顕著な影響がみられています。この問題からも、身体活動(筋肉)と体温(エネルギー代謝)の連関が健康に重要であることが良くわかります。

成人においても、体温を適切なレベルに維持することは、免疫反応を保ち病気にかかりにくくなることや、認知・判断機能の向上に関係するなど、心身の健康状態と高い相関を示すものです。また、体温には、一日の中で変動するリズムがあり、このリズムが乱れると睡眠にも悪影響があると言われています。健康的な生活に睡眠が重要であるのは言うまでもありません。

105歳でお亡くなりになった、健康長寿の代名詞といっても過言ではない、元・聖路加国際病院長の日野原重明先生は、毎日、体温を測定・記録していたそうです。健康で意欲あふれる生活を送るために、体温を日常的に測定する習慣をつけると良いかもしれません。
そして、その体内リズムを乱さないために、適度な運動を日常的に実践し、筋肉量を維持しておくことが大切です。筋肉を鍛えることは、力のためだけではなく、生活の基盤であると言えるでしょう。近い将来、筋肉〇〇という揶揄が消える日が来るかもしれません。





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