クサネム(草合歓)(マメ科 クサネム属)
クサネム(草合歓)(マメ科 クサネム属)
自生環境
水田、河川敷など
原産地
日本在来
特徴
- 水田や河川敷など、湿った場所に生える大型の1年草です。茎が太いため、機械で稲を刈る時のじゃまになったり、タネの形や大きさが玄米そっくりで混入すると除去が大変だったりと、稲作農家泣かせの草として知られています。
- 花は薄い黄色で、マメ科によく見られる蝶形花と呼ばれるかたちをしています。果実は棒状で、熟すと節のところでぽきぽきと折れます。皮の中にタネが入っていますが、皮はとてもかたくてぶあついため、取り出すのは大変です。
- 夜になると葉が閉じて、まるで眠っているように見えます。クサネムの名前は、葉の雰囲気がネムノキのそれによく似て、木ではなく、草であることからきています。
水田を舞う黄色い蝶
キタキチョウ(シロチョウ科)という黄色い蝶の幼虫は、ヤマハギやメドハギなどマメ科植物の葉を食べて育ちます。同じマメ科のクサネムの葉も好むようで、クサネムの生えている水田周辺では、しばしば多数のキタキチョウが乱舞している姿を見かけます。キタキチョウの幼虫は緑色で細長い芋虫ですが、見事なまでにクサネムと同化してしまい、発見するのは至難の業です。
市内の分布状況
市内全域の水田や河川敷でごく普通に見られます。
生育を脅かす要因
今のところ特になし
とても丈夫で数も多く、今のところ保護の必要はありません。ただ、人間活動の影響を強く受ける場所に生えるため、長期的な個体数の増減への留意は必要です。
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