カラムシ(茎蒸)(イラクサ科 カラムシ属)
カラムシ(茎蒸)(イラクサ科 カラムシ属)
自生環境
林縁、堤防、野原 など
原産地
日本在来
特徴
- 林縁や野原など、いたるところにごく普通に生える多年草です。草丈は1mから2mに達し、茎や葉は毛が多く、さわるとザラザラしています。葉は表面は緑色ですが、裏面は綿毛が密に生え、白く見えます。ときに綿毛がなく、表裏ともに緑色のものがあり、これをアオカラムシと呼びます。
- 花期は7月から9月。茎の上部に雄花が、下部に雌花がつきます。秋から冬にかけて、球形の果実の集まりがびっしりとつき、茎からのれんのように垂れ下がります。
- フクラスズメという蛾の幼虫の食草になっています。また、アカタテハやラミーカミキリなど、イラクサ科植物を食べる昆虫の姿も見かけます。
上質な繊維がとれる
カラムシの名前は、カラ(茎)を蒸して繊維をとることが由来となっています。カラムシから繊維を取り出し、布にするまでは手間がかかる上に、高度な技術が必要ですが、織った布はとても上質です。越後上布、小千谷縮布、八重山上布などが有名です。ちなみに、本州で唯一、原料としてのカラムシを生産している福島県昭和村では、観光資源として地域おこしに活用されています。
市内の分布状況
市内全域、環境を問わずどこにでもごく普通に見られます。広範囲にわたっての群生となることもしばしばです。
生育を脅かす要因
今のところ特になし
身近な場所にごく普通で、今のところ絶滅の心配はありません。しかし目の敵にしすぎるのは考えもの。地域に咲く野の花として、やさしく見守る気持ちを大切にしたいところです。
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