ハンノキ(榛の木)(カバノキ科ハンノキ属)
ハンノキ(榛の木)(カバノキ科ハンノキ属)
自生環境
湿地、水辺 など
原産地
日本在来
特徴
- ヤナギの仲間とともに、平地の水辺を代表する樹種で、樹高10mから20mに達する落葉高木です。しばしばハンノキ林と呼ばれる湿地林をかたちづくります。
- 雌雄同株ですが、雄花と雌花の別があります。雄花は多数集まって長さ5cm程度の穂になって垂れ下がります。雌花も小さく、多数が集まって1つの丸い穂となります。雌花の穂は上向きで、赤い雌しべが目立ちます。
- 花期は11月から翌4月頃で、暖かい場所では葉のない時期から咲きはじめます。風媒花で、雄花の穂は揺すると黄色い花粉がまるで煙のように舞い、花粉症の原因となります。
ミドリシジミを育む
ミドリシジミはチョウ目シジミチョウ科に分類される蝶で、成虫は年1回、梅雨時期に出現します。雄は翅を広げると、光の加減で緑色に輝き、まさに「生きた宝石」です。成虫は飛びまわってクリの花などの蜜を吸いますが、幼虫はハンノキの葉を食べて育ちます。ハンノキがなくなると、途端にミドリシジミの輝きも消えてしまいます。生きもののつながりとは、そういうものなのです。
市内の分布状況
市内全域の水辺に普通です。ただ、開花・結実するほど大きく育ったものはそんなに多くはありません。
予想される被害または生育を脅かす要因
- 開発
水辺に最も普通に生える樹種のひとつです。今のところ絶滅の心配はありませんが、埋め立てや河川改修、伐採などの人間活動の影響を受けやすい傾向にあります。
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