ムシクサ(虫草)(オオバコ科 クワガタソウ属)
ムシクサ(虫草)(オオバコ科 クワガタソウ属)
自生環境
道ばた、湿地、水辺 など
原産地
日本在来
特徴
- 湿った場所に多く生える1年から越年草です。ただ、環境に適応する力が強いのか、道ばたや荒れ地などの乾燥した場所にもたびたび出現します。全体無毛ですが、ケムシクサという毛が多く生える品種もまれに見られます。
- 直径2ミリメートルから3ミリメートルのとても小さな白い花を、葉のわきに1個ずつ咲かせます。花期は春ですが、陽だまりでは冬のうちからちらほらと咲くこともあります。花後にできる果実は平べったいハート形ですが、しばしば虫こぶとなって丸く大きくふくらみます。
- 果実が成熟してくると、全体が赤く色づきます。初夏に周囲の草が青々と茂ってくる頃に紅葉するため、よく目立ちます。タネがこぼれ落ちると株の寿命は尽き、梅雨の頃までには姿を消してしまいます。
虫を育てる草?
ムシクサには、丸く膨らんだ虫こぶ(ムシクサツボミタマフシと呼ばれます)ができやすく、これが本物の果実よりも目立ちます。ゾウムシの仲間がつぼみに産卵した結果、変形・肥大してできたもので、いわば「虫のゆりかご」です。中でふ化した幼虫は、こぶの組織を食べながら過ごし、成虫になると、穴をあけてそこから巣立っていきます。名前も、この様子からつけられました。
市内の分布状況
市内全域でごく普通に見られます。本来の自生環境は水辺ですが、適応力が強いのか、市街地の乾燥した場所にもよく生えています。
生育を脅かす要因
今のところ特になし
市内全域にごく普通で、今のところ絶滅の心配はありません。しかし目の敵にしすぎるのは考えもの。地域に咲く野の花として、やさしく見守る気持ちを大切にしたいところです。
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