クスノキ(楠の木)(クスノキ科 クスノキ属)
クスノキ(楠の木)(クスノキ科 クスノキ属)
自生環境
山林、神社、公園 など
原産地
日本在来
特徴
- 本州から九州の比較的暖かい地域に生える常緑高木です。ただ、これらが本当の自生かどうかは議論があるところです。樹高20メートルから50メートル、幹の直径2メートル以上と大木になるうえに寿命も長く、天然記念物に指定されるような巨木も多く存在します。
- 葉は卵形からひし形で強い光沢があります。葉や樹皮には防虫剤の樟脳の成分が含まれており、揉むと芳香があります。春に古い葉と新しい葉が入れ替わります。この時期は、古い葉と新しい葉の色の対比が美しいものです。
- 初夏に少し黄ばんだ白い花を咲かせます。花の直径は3ミリメートルほど、花びらは6枚ですが、根もとでつながって筒状になっています。筒状の部分は花後もそのまま残り、その先に丸くて光沢のある果実ができます。果実は熟すと黒っぽい紫色になります。
ダニでダニを制する
クスノキの葉をよく見ると、葉脈の分岐点付近に小さなふくらみがいくつも確認できます。この中には草食のダニがいて、クスノキはこれを意図的に囲い込んでいます。そうすると、この草食のダニを目当てに、肉食のダニが集まってきます。肉食のダニは、草食のダニとともに、クスノキに悪影響を及ぼす種類のダニもいっしょに食べてくれます。このようにして自分の身を守っているのです。
市内の分布状況
神社や公園によく植えられており、しばしば大木になっています。野生状態のものも多いのですが、市内に真の自生があるかどうかは不明です。
生育を脅かす要因
- 今のところ特になし
古くから神社などに植えられ、鎮守の森の主として長年大切にされてきました。ただ近年はこういう草木を大切にする意識が弱まり、安易に伐採する傾向が目立つので残念です。
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