イトトリゲモ(糸鳥毛藻)(トチカガミ科 イバラモ属)

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ページ番号 1021285 更新日  令和3年5月21日 印刷 大きな文字で印刷

イトトリゲモ(糸鳥毛藻)(トチカガミ科 イバラモ属)

イトトリゲモの図鑑

自生環境

水田、ため池など

原産地

日本在来

特徴

  • 水田やため池に生える1年草です。株の寿命は短く、6月から7月ごろに発芽した後、短期間で開花・結実を済ませ、稲刈り前にはタネを残して枯れてしまいます。
  • 水底の泥の中に根を下ろしますが、まるで藻のように、一生を水中で過ごします。茎はすぐにちぎれますが、ちぎれてもそのまま生育可能です。ただ乾燥には極端に弱く、水から出した途端に傷んでしまいます。そのため、タネを残す前に田の水が落ちると、次世代に命をつなげずに絶える原因となります。
  • 葉のわきに雄花が1個、雌花が2個、同時につきます。タネはうすい果皮に包まれた状態でふつう2個ずつつきます。果皮をむいたタネには、横長の網目模様がありますが、この模様はトリゲモの仲間の重要な識別点の1つです。

イトトリゲモの画像その1。夏の田んぼに生え、水の中で育つ。

イトトリゲモの画像その2。葉は細くて、縁は少しギザギザする。果実は葉のわきにふつう2個ずつつく。タネの表面は網模様。網目は細長いかたち。

イトトリゲモの画像その3。葉鞘。雄花。葉のわきに1個。葉鞘に中で咲き、とても小さいため発見は至難の業。雌花。葉のわきに2個。雄花より大きい。

藻のようだけど藻ではない

イトトリゲモは、名前に「藻」とつく上に、植物体が水中にあるため、一見すると藻類(いわゆる藻のこと)のように感じてしまいます。しかし、目立たないながらも、きちんと花を咲かせタネで増えるれっきとした「植物」です。じつは藻類は、もはや植物でもなく、「原生生物」と呼ばれるくくりになります。なお、一生を水中で過ごし、藻のように見える植物のことを「沈水植物」と言います。

市内の分布状況

市内では旧・関宿町エリアの水田地帯に多数生育しています。

市内の分布状況の図

生育を脅かす要因

  • 農薬
  • 乾燥化
  • 水質悪化

除草剤や水田管理法の変化(特に水を抜く時期)によって、全国的に激減しました。市内の自生地では、水田がこのまま維持されている限りは、特に問題はありません。

レッドリスト

千葉県…B(重要保護生物)
環境省…NT(準絶滅危惧)

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