キクモ(菊藻)(オオバコ科シソクサ属)
キクモ(菊藻)(オオバコ科シソクサ属)
自生環境
湿地、水田、池や沼 など
原産地
日本在来
特徴
- 水田及び、その周辺の湿地にごく普通に見られます。多年草と書かれている図鑑もありますが、水田で見られるものは冬の到来とともに枯れてしまうものが多く、1年草としての生活史を送っていると考えられます。
- 夏のうちから育ってくるものもありますが、大半は稲刈りの後に出現します。草丈は20センチメートル程度で、葉は「菊の葉」のようにたくさん切れ込みます。茎には白い毛がびっしり生えています。秋を中心に、葉わきにピンクの花を1個ずつ咲かせます。花や果実には「柄」がなく、茎から直接出ているように見えます。
- 水量に応じて自在に姿を切り替えることができ、水没したときと、陸上で育っているときとで、その姿が大きく異なります。水中でも開かない花(閉鎖花)をつけ、しっかりとタネを残します。
水没すると姿が変わる
キクモの仲間は、水の量に応じて体のかたちを自在に変えられす。水の中に沈むと、レースのように細かく切れ込んだ葉を出し、開かない花(閉鎖花)をつけます。水深に応じて50センチメートル以上にもなります。この姿が美しいことから、アンブリアの名前で、アクアリウム用の水草としても栽培されます。ただ、市販のものは、産地不明で外来種も多いため、ビオトープ目的でも野に放つのはやめましょう。
市内の分布状況
市内の水田地帯にごく普通ですが、水田以外ではほとんど見られません。
生育を脅かす要因
- 水質悪化
- 農薬
- 乾燥化
今のところ市内では水田にごく普通に見られますが、油断は禁物です。一般に、水質の悪化や、農薬使用、冬場の乾田化は、生育を妨げる原因になると言われています。
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