クログワイ(黒慈姑)(カヤツリグサ科ハリイ属)
クログワイ(黒慈姑)(カヤツリグサ科ハリイ属)
自生環境
水田、湿地 など
原産地
日本在来
特徴
- 水辺に群生する多年草です。地下茎をはりめぐらせ、しばしば一面の群生となることもあります。秋になると、地下茎の先に直径1センチメートルほどの黒っぽい塊茎をつくり、それで越冬します。
- しゅっしゅっとのびているものの正体は、葉ではなく茎。葉は退化して、痕跡のようなものが株もとにわずかに見られる程度です。茎は直径3センチメートルほどの円柱形で、中は空洞になっているため軽く押しただけでぶちっと音を立ててつぶれます。
- 夏から秋にかけて、茎の先に花の穂をつけることがあります。花の穂は茎とほぼ同じ太さで、最初は雌しべが顔を出し、白い柱頭が目立ちます。その柱頭が枯れる頃に、今度は黄色い雄しべが顔を出し、花粉を出します。雄しべと雌しべが時間差で現れるのは、自家受粉を防ぐためです。
飢きん時に役に立った
クログワイは秋になると、地下茎の先に直径1センチメートルほどの小さな塊茎(いものようなもの)をつくります。この塊茎は食用になり、かつては飢きんで食糧難に陥ったときの貴重なでんぷん源でした茹でて三杯酢で和えると美味しいと言い、生食もOKです。ちなみに、中華料理の「くろぐわい」は、同じ仲間のオオクログワイの塊茎です。また、おせちに使う「くわい」は、オモダカの仲間で別物です。
市内の分布状況
旧・関宿町エリアでは、水田とその周辺に比較的普通に見られます。
生育を脅かす要因
- 農薬
- 水質悪化
かつては水田にはびこる厄介な雑草と言われていましたが、減少傾向にあるようです。その大きな要因は農薬や、冬期の乾田化、水田の宅地化などが挙げられます。
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