ムクノキ(椋の木)(アサ科ムクノキ属)
ムクノキ(椋の木)(アサ科ムクノキ属)
自生環境
山林、道ばた など
原産地
日本在来
特徴
- 関東地方以西の比較的暖かい地域に分布し、身近な場所に多く見られる落葉高木です。成長が早く樹高は20メートルにもなります。また寿命が長いため、樹齢数百年、ときに1000年を超えるようなものがあり、各地で天然記念物に指定されています。
- 春、新葉が展開するとともに花を咲かせます。雌雄同株ですが、雄花と雌花の区別があります。雄花は薄緑色で花びらは5枚あり、5本の雄しべが目立ちます。一方の雌花は筒のような形で、2つに分かれた雌しべの柱頭が目立ちます。
- 秋に丸くて青黒い果実ができます。果実の直径は10ミリメートルほどで、果肉は干柿のように甘酸っぱくて美味です。鳥にも人気が高く、比較的すぐになくなってしまいます。
紙やすりの代わりに
ムクノキの葉は裏表とも、さわるととてもザラザラとしています。このムクノキの葉と、シダ植物のトクサは、木製の家具を磨くのに使われていました。さすがに、ひどくささくれたものには太刀打ちできませんが、表面の仕上げに使うには最適です。その歴史はとても古く、平安時代には広く普及していたようです。古典文学にもトクサとともに物を磨く材料としてよく取り上げられています。
市内の分布状況
市内全域、どこでもごく普通に生えています。鳥が果実を食べてタネを運ぶため、道ばたにも若い苗をよく見かけます。
生育を脅かす要因
- 今のところ特になし
市内全域にごく普通で、今のところ絶滅の心配はありません。しかし目の敵にしすぎるのは考えもの。地域に育つ植物として、やさしく見守る気持ちを大切にしたいところです。
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