コブナグサ(小鮒草)(イネ科コブナグサ属)
コブナグサ(小鮒草)(イネ科コブナグサ属)
自生環境
野原、水辺、あぜ など
原産地
日本在来
特徴
- 少し湿り気のある野原にたくさん生える1年草です。人里周辺に多く、しばしばあたり一面の群生となります。ただ人の手が入りすぎるような環境は苦手で、都市化や宅地化の進行とともに身のまわりからは姿を消しつつあります。
- 葉はうねうねと波打ち、先がきゅっと尖ります。この様子を小さなフナ(鮒)に見立てたのが名前の由来です。草丈は50センチほどになりますが、華奢な感じです。茎や葉に生える毛の量は株ごとにちがいます。
- 秋、茎の先にススキを小さくしたようなかたちの穂をつけます。穂の色は薄緑色ですが、しばしば赤みがかった色になります。芒(のぎ)もほとんど無いものから、長い芒が目立つものまであり、よく見るとずいぶん個性豊かです。
草木染めに使われる
八丈島(東京都)に伝わる伝統工芸品の「黄八丈」。島内に自生する植物を使って染められた絹織物で、黄色・かば色・黒色の3色を基調としています。うち黄色を出すのに使われるのがコブナグサ。現地では「カリヤス」と呼ばれています。乾燥させたコブナグサを煮出した染料(フシ)に糸を漬けた後、媒染剤(原料はツバキやサカキの灰)で揉みこむと鮮やかな黄色になります。
市内の分布状況
市内全域で見られ、場所によってはたくさん生えていますが、ありふれていると言えるほどではありません。
生育を脅かす要因
- 競合
- 農薬
図鑑などでは身近な普通種と書かれていますが、野田市には「ありふれている」と言えるほどの数はありません。除草剤や、外来種との競争では負けてしまうことが多いようです。
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