カラスビシャク(烏柄杓)(サトイモ科ハンゲ属)
カラスビシャク(烏柄杓)(サトイモ科ハンゲ属)
自生環境
畑地、野原、道ばた など
原産地
日本在来
特徴
- 畑地や野原など、日当たりが良くて乾燥した場所によく生えている多年草です。結実率は悪いのですが、地中の球根や、葉のつけ根と柄にできる「むかご」でどんどん増えていきます。
- 雑節のひとつの半夏生は、7月2日ごろのことで、半夏(カラスビシャクのこと)の生えるころと言う意味合いがあります。ただ、7月まで待たずとも、早いものでは4月から5月には葉を出し、花を咲かせ始めます。花は緑色の苞に包まれるようにして咲くため、外側からその様子をうかがうことはできません。紫がかった色の苞をつける株もあり、ムラサキハンゲと呼ばれています。
- 名前は、苞に包まれた花のかたちをひしゃくに見立て、小さいことからカラスが使うものとしてつけられたものです。球根は薬用として使われ、漢方で「半夏」と呼ばれています。
へそくりの語源となった草
畑の雑草として有名なカラスビシャク。さぞかし嫌われてきたのだろうと思いきや、案外そうでもなかったようです。「半夏」という薬になるため、農家は草取りがてら球根を集めて売り、小遣い稼ぎをしたのだそうです。球根は栗のようなかたちで、へそのようなくぼみがあるため「へそ栗」とも呼ばれます。これが農家の小遣い稼ぎに使われたことから、転じて現代の意味になったのです。
市内の分布状況
市内全域に普通です。畑のまわりなど、日当たりの良い乾燥した場所を好みます。
生育を脅かす要因
- 農薬
市内全域に生え、数も多いため、今のところ絶滅の心配はありません。ただ、生えている場所柄、除草剤散布など人間活動の影響を受けやすいと考えられます。
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