ナキリスゲ(菜切菅)(カヤツリグサ科スゲ属)
ナキリスゲ(菜切菅)(カヤツリグサ科スゲ属)
自生環境
山林、神社など
原産地
日本在来
特徴
- 林の中に生える多年草で、何年もかけて大きくなり、こんもりとした株に育ちます。市内ではナガバジャノヒゲといっしょに生えていることが多く、花や果実の無い時期は非常にそっくりですが、葉の質感や色合いは微妙に異なります。
- ナキリスゲの葉はがっしりと硬くて深緑色。常緑で冬も青々とした葉をつけています。葉の縁はルーペで見るとまるで糸鋸のように細かい刺が生えています。この様子が、まるで菜っ葉も切れそうなくらいだという意味で「菜切り」と名がつきました。
- 秋になると、葉の間からしゅっと長い茎をのばし、その先に花の穂をつ数本ずつつけます。穂につく花は大部分が雌花で、雄花は穂先にちょこっとつく程度です。柱頭は2本で、果苞は短い毛が生えています。
スゲには珍しく秋咲き
スゲの仲間は、それだけで1冊の図鑑ができるほど種類がありますが、その多くは、春から初夏にかけて穂を出します。そんな中、ナキリスゲはちょっと変わっていて、秋に開花・結実する種類です。市内で見られる可能性のある秋咲きのスゲとして、ほかには、センダイスゲとコゴメナキリスゲが挙げられますが、いずれも稀なもの。ナキリスゲのほうが圧倒的に数が多いです。
市内の分布状況
市内全域に分布し、ごく普通に見られます。公園の木陰など、日当たりの悪い場所を好みます。
生育を脅かす要因
今のところ特になし
市内全域にごく普通で、今のところ絶滅の心配はありません。しかし目の敵にしすぎるのは考えもの。地域に育つ野の花として、やさしく見守る気持ちを大切にしたいところです。
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