イヌシデ(犬四手)(カバノキ科クマシデ属)
イヌシデ(犬四手)(カバノキ科クマシデ属)
自生環境
山林
原産地
日本在来
特徴
- 市内の雑木林を構成する基本樹種のひとつです。樹高10メートル以上にもなる落葉高木で、とても寿命が長くて巨木となることも珍しくありません。同じ雑木林の構成樹種であるコナラやクヌギのように樹液を出すことはありません。
- 花期は3月から4月ごろで、まず先行して雄花の穂が枝いっぱいにぶら下がります。次に少し遅れて雌花の穂が出てきます。雌花の穂は枝先で、新しい葉といっしょに顔を出します。風媒花なので、雄花は風とともに空気中に大量の花粉をまき散らし、早春の花粉症の原因にもなります。
- 枝先から垂れさがる果実の穂は、まるで四手(紙垂)のよう。名前の由来は、そこから来ています。タネは翼を使って風に乗り、遠くへと飛ばされていきます。
大きな冬芽の正体は?
冬のイヌシデを観察すると、赤茶色でツンととがった冬芽に混じって、やたら大きく膨らんで、まるで小さなホップの実のようになったものが目につきます。これは、ソロメクフレダニというダニの一種がつくった虫こぶです。虫こぶそのものは、イヌシデメフクレフシという名前で呼ばれます。この中には大量のダニがくらしていますが、人畜無害で木にも影響はないので見守ってあげてくださいね。
市内の分布状況
市内全域に分布し、雑木林を構成する基本樹種のひとつとなっています。
生育を脅かす要因
今のところ特になし
市内全域にごく普通で、今のところ絶滅の心配はありません。しかし目の敵にしすぎるのは考えもの。地域の樹木として、やさしく見守る気持ちを大切にしたいところです。
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