サルトリイバラ(猿捕茨)(サルトリイバラ科シオデ属)
サルトリイバラ(猿捕茨)(サルトリイバラ科シオデ属)
自生環境
林縁、野原 など
原産地
日本在来
特徴
- 林の縁などで、草木に絡みつくようにして育つつる性の落葉樹です。鋭い刺が多く複雑に絡み合うその姿は、木登り上手の猿でさえも引っかかって捕らえられてしまうだろう、名前はそんな連想から来ています。カカラ、ガンダチイバラなど、サルトリイバラのほかにも多数の地域名を持っています。
- 雌雄別株ですが、いずれも春の芽吹きとともに、小さな黄緑色の花を咲かせます。雌株は秋になると果実が赤く熟し、これは生食できるほか、果実酒にもなります。
- 葉は丸っこい形で大きく、西日本では古くから餅やだんごなどを包むのに使われてきました。そのためマンジュウシバなる呼び名も存在します。乾燥させた葉はお茶の代用として使えるほか、若い葉は山菜として食用になります。
山帰来とは?
中国には、日本のサルトリイバラに近い仲間のSmilax glabra(ケナシサルトリイバラ)という種類が自生しています。これの根を山帰来(さんきらい)と言い、生薬として利用されています。山帰来は、文字通り「山から帰って来た」という意味。由来には諸説ありますが代表的なものとして、山で病気になった人が、これの根で元気になって帰って来たというのがあります。
市内の分布状況
市内全域に分布。林の縁に絡みついているのをときどき見かけます。
生育を脅かす要因
- 開発
- 競合
市内全域で普通に見られますが、雑木林の伐採や開発は、重大な脅威となります。またアレチウリなど外来のつる草が林の縁ではびこると、生育場所が奪われてしまいます。
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