ムラサキシキブ(紫式部)(シソ科ムラサキシキブ属)
ムラサキシキブ(紫式部)(シソ科ムラサキシキブ属)
自生環境
山林
原産地
日本在来
特徴
- 高さ3メートルほどの落葉低木で、山林内にたくさん生えています。名前の由来ははっきりしませんが、紫色の果実が美しいことから、『源氏物語』の作者とされる平安時代の女性作家・紫式部に例えたとする説があります。
- 花の枝は葉のわきから出て、6月から8月に小さな薄紫色の花を多数咲かせます。その後小さな丸い果実ができ、やがて紫色に熟します。果実は密集せず、すき間が目立ちます。冬になると落葉しますが、果実は残ります。また冬芽も翼を上にあげてバンザイした鳥さんのようなかたちで特徴的なため、冬でも容易に見分けられます。
- ハムシ科の昆虫・イチモンジカメノコハムシは、ムラサキシキブの仲間の葉を食べます。このハムシを観察する場合は、ムラサキシキブの自生する場所を探すと良いです。
庭のムラサキシキブは別物
庭木用に「ムラサキシキブ」の名前で売られているものは、その多くが本種ではなくコムラサキ(コムラサキシキブ)という別な種類です。両者は同じ仲間なのでよく似ていますが、コムラサキのほうが果実は密集してつき、見ごたえがあります。また花や果実の枝のつく位置が、ムラサキシキブとはちがって葉わきからではなく、少しずれます。また冬芽や葉のかたちも異なります。
市内の分布状況
市内全域に分布。主に林の縁に生えますが、数はそんなに多くありません。
生育を脅かす要因
- 荒廃
- 開発
- 交雑
生育場所の雑木林の環境の多くは、残念ながらあまり良好な状態とは言えません。また庭木用に栽培されるコムラサキとの間にできた、雑種と推定される株も見受けられます。
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