ヤブコウジ(藪柑子)(サクラソウ科 ヤブコウジ属)
ヤブコウジ(藪柑子)(サクラソウ科 ヤブコウジ属)
自生環境
山林、神社 など
原産地
日本在来
特徴
- 林の中によく生えています。高さは20センチほどの常緑樹で、分厚くて頑丈な葉が数枚つきます。地下茎を横にのばしながら繁殖していくため、しばしば群生します。
- 夏に直径5ミリメートル程度の小さな白い花が数輪咲きます。葉に隠れるようにして下向きに咲くため、よく観察しないと見過ごしてしまいます。果実は直径5ミリメートル程度の球形で、秋から冬にかけて赤く熟します。柑子(こうじ)は、ミカンの仲間のことで、果実期の姿をそれに見立てたことに由来します。ただ柑橘のような香りはなく、食用にはなりません。
- 江戸時代には、斑入りや変わった形の葉をつける株を「葉芸」と呼び、もてはやされました。ヤブコウジにも多数の斑入り品種や葉変わり品種が知られています。また十両とも呼ばれ、縁起物として正月飾りにも使われます。
小さいけれど木なんです
ヤブコウジは、大きく育ったとしてもせいぜい高さは20センチ程度。幹の直径も1センチあるかどうかの細さで、まるで草のよう。しかしこれでもれっきとした樹木です。一般に草と木のちがいは、地上茎の寿命です。グレーゾーンも多いのですが、1つの茎が1年以内に枯れれば草、何年も生き続け、次第に太く丈夫になっていけば木です。ヤブコウジの幹も寿命は長く、10年単位で生き続けます。
市内の分布状況
市内全域に分布し、林の中でごく普通に見られます。
生育を脅かす要因
今のところ特になし
市内全域にごく普通で、今のところ絶滅の心配はありません。しかし目の敵にしすぎるのは考えもの。地域の樹木として、やさしく見守る気持ちを大切にしたいところです。
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