スズメノカタビラ(雀の帷子)(イネ科 イチゴツナギ属)
スズメノカタビラ(雀の帷子)(イネ科 イチゴツナギ属)
自生環境
水田、湿地 など
原産地
日本在来
特徴
- 一般にスズメノカタビラと呼ばれているものには、2つの系統があります。本来のスズメノカタビラは水田に生える本種のことで、道ばたでよく見かけるものはアオスズメノカタビラと言うヨーロッパ原産の別な系統です。
- 水田の暦に適応した生活サイクルを送っています。つまり稲刈り後に発芽して越冬、早春に開花・結実をして、水田の作業が始まる前にはタネを残して枯れていきます。積雪の少ない地域では、冬のあいだも花の穂を出します。
- 草丈は5センチメートルから15センチメートルほどで、茎は株もとでひょろひょろしたりせず、がっしりとしています。葉は黄緑色で、寒さにあたるとやや紫がかります。穂はふつう紫がかった色です。小穂をつなぐ軸の部分には小刺は無く、護頴に毛がある点もアオスズメノカタビラととは異なります。
どの部分が帷子なの?
名前にある帷子(かたびら)は、麻や絹でつくった裏地のない着物のことを言います。いわば「昔の肌着」です。では、スズメノカタビラのどの部分がそれを連想させるのでしょうか。答えは穂です。穂をルーペで見ると、護頴の重なり具合が、着物のあわせの部分を連想させるのです。しかしこれを見て帷子を思い浮かべるなんて、昔の人の想像力は脱帽ものですね。
市内の分布状況
市内全域に分布。水田のまわりで、ごく普通に見ることができます。
生育を脅かす要因
- 農薬
- 競合
水田周辺でごく普通に見られ、今のところ絶滅の心配はありません。ただ、外来種のアオスズメノカタビラに押され気味で、今後の動向がちょっと気になります。
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