モミジイチゴ(紅葉苺)(バラ科キイチゴ属)
モミジイチゴ(紅葉苺)(バラ科キイチゴ属)
自生環境
林縁、林内 など
原産地
日本在来
特徴
- 雑木林でもっとも普通に見られる「キイチゴ」で、地下茎を横走させながら広がるため、しばしば群生します。地上部に「太い幹」はなく、株もとから細い枝がのびて1メートルから2メートルの長さになります。葉は冬に落葉します。
- 春に芽吹きとともに開花します。花は白色で花びらは5枚、下を向いて咲きます。6月ごろ、果実がオレンジ色に熟します。この果実は甘酸っぱくてジューシーで、生で食べられます。ただ枝葉には刺があり、刺さると痛いため、摘むときには注意が必要です。
- キイチゴの仲間は交雑しやすく、さまざまな組み合わせの雑種が報告されています。もちろんモミジイチゴをかた親とした雑種もありますが、市内では今のところ見つかっていません。精査すると発見できるかもしれません。
東西で葉のかたちが
モミジイチゴはその名のとおり、「モミジの葉」のように切れ込む葉が特徴のひとつとなっています。しかし、これは東日本での話。西日本のものは葉形が異なり、細長い三角形。せいぜいたまに、3つから5つに浅く裂ける程度です。そこで西日本のものはナガバモミジイチゴの名で、変種として区別しています。不思議なもので、両者は中部地方を境に東西でうまく棲み分けしているようです。
市内の分布状況
市内全域に自生しますが、林の減少とともにずいぶん少なくなりました。
生育を脅かす要因
- 開発
- 競合
- 荒廃
里山で最も普通に見られるキイチゴですが、環境の変化とともにずいぶんと少なくなりました。ササ類や背の高い外来種が繁茂して日当たりが悪くなることも脅威となっています。
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