マツバラン(松葉蘭)(マツバラン科マツバラン属)
マツバラン(松葉蘭)(マツバラン科マツバラン属)
自生環境
山林、岩場 など
原産地
日本在来
特徴
- 山地で木の幹や岩肌にくっつくようにして育つシダ植物です。多年草で、何年もかけて大きな株に育っていきます。体の構造はとてもシンプルで、根や葉はありません。地上に出ている茎は、上のほうで2つに分かれ、それを何回も繰り返していきながら箒のようなかたちになります。根はありませんが、土の中には長くのびる地下茎があります。
- シダ植物なので花は咲きません。株が成熟すると胞子嚢と呼ばれる丸いプチプチのようなものが茎にたくさんつきます。この中で胞子をつくり、この胞子が拡散することで増えていきます。
- 本来は山の中に生える植物ですが、観賞用に栽培されることもあるため、そこから飛び散った胞子が芽生えて野生化することもあります。また土とともに胞子が運ばれて、思いがけない場所から芽生えて育つこともあります。
かつては人気植物だった
江戸時代には、斑入り葉や枝変わりなど、本来の姿から大きく変形した「珍奇」な植物のブームがありました。マツバランも枝ぶりや色合いなど多彩な変化を示す株が多く見出されることから人気が高く、『松葉蘭譜』という専門の書物まであったほどです。それには約120種もの栽培品種が記載されており、その多様性と当時の人気ぶりをうかがい知ることができます。
市内の分布状況
林内でたまに見かけます。希少種扱いですが、一方で栽培もされるため、野田市のものが真の自生かどうかは不明です。
生育を脅かす要因
- 採集圧
市内のものは、栽培されていたものの野生化の可能性があります。古くから園芸植物として人気があるため、採集されやすく、それが原因で急速に数を減らしています。
レッドリスト
環境省:準絶滅危惧(NT)
千葉県:最重要保護生物(A)
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