タマガヤツリ(玉蚊帳吊)(カヤツリグサ科 カヤツリグサ属)
タマガヤツリ(玉蚊帳吊)(カヤツリグサ科 カヤツリグサ属)
自生環境
水田、湿地、水辺 など
原産地
日本在来
特徴
- 水田のまわりなどの湿った場所に多く、ほかのカヤツリグサ類とにいっしょに生えていることも珍しくありません。草丈は15センチメートルから40センチメートルほどですが、晩秋に発芽したものは、10センチメートルにも満たないとても小さな姿のまま穂を出すことがあります。
- 茎は株もとから何本も立ちあがります。茎の先に葉と同じかたちの長い苞葉が数枚つき、その真ん中から穂が出ます。花序枝と呼ばれる柄のようなものが何本も出て、その先に直径1センチメートルほどの球形の穂をつけます。この穂は、多数の小穂が丸く集まったもので、名前のタマはここから来ています。
- ひとつひとつの小穂は平たい形をしており、10から20個ほどの小花が左右2列に並んでついています。小花は丸みを帯びた鱗片に包まれています。穂の色は個体差があり、典型的なものは茶色ですが、薄緑色に近いものや黒っぽいものもあります。
タネがとても長生き
野生植物のタネはいっせいに発芽せず、時間差でだらだらと芽を出す傾向があります。何年も休眠をして、環境が良くなったタイミングを見計らって芽を出すこともあります。このようにして土の中に眠っているタネを「埋土種子」と言い、中にはとても寿命の長いものもあります。タマガヤツリもタネの寿命がとても長く、湿った土の中で10年、乾燥すると15年以上生きると言います。
市内の分布状況
市内全域、水田などの湿った場所でごく普通に見られます。
生育を脅かす要因
今のところ特になし
市内全域にごく普通で、今のところ絶滅の心配はありません。しかし目の敵にしすぎるのは考えもの。地域に育つ野の花として、やさしく見守る気持ちを大切にしたいところです。
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