イボクサ(疣草)(ツユクサ科 イボクサ属)
イボクサ(疣草)(ツユクサ科 イボクサ属)
自生環境
湿地、水田 など
原産地
日本在来
特徴
- 典型的な「水田雑草」のひとつで、水田とその周りにたくさん生えています。水深の変化に柔軟に適応でき、完全に水没しても大丈夫です。またある程度の乾燥にも耐性があり、土が乾くと葉を折りたたむようにして耐え忍びます。ただ極端な乾燥が続くとさすがに枯れてしまいます。
- 8月から10月頃、葉のわきから直径1.2センチメートルくらいの花を咲かせます。花びらは3枚あり薄紫色。外側に行くほど色が濃くなるようにグラデーションがかっています。果実は長さ1センチメートルくらいの先がツンととがった形で、成熟すると3つに開いて中のタネを落とします。葉のつけ根の部分にも小さな果実ができることがあります。
- 草の汁をつけるとイボが取れると考えられたことからイボクサの名前がつけられました。ただ本当に効果があるかどうかは疑わしく、現在薬用としては使われていません。
史前帰化植物について
有史(文字による記録が残る時代)より前に日本にやってきた植物を「史前帰化植物」と言います。渡来経路はいろいろ考えられますが、紀元前2世紀から3世紀頃、稲作とともにやってきたものが中心と考えられています。イボクサをはじめとするいわゆる水田雑草の多くが、この史前帰化植物に該当すると考えられています。史前帰化植物は日本在来種として扱うのがふつうです。
市内の分布状況
市内全域、水田とその周辺でごく普通に見られます。
生育を脅かす要因
今のところ特になし
市内全域にごく普通で、今のところ絶滅の心配はありません。しかし目の敵にしすぎるのは考えもの。地域に咲く野の花として、やさしく見守る気持ちを大切にしたいところです。
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