フトイ(太藺)(カヤツリグサ科フトイ属)
フトイ(太藺)(カヤツリグサ科フトイ属)
自生環境
湿地、水辺 など
原産地
日本在来
特徴
・池や沼のほとり、川岸など、水辺に多い多年草で、水に浸かった状態で育っているのをよく見かけます。とても大きな草で、よく育ったものでは草丈が2.5メートル近くにも達することがあります。
・葉は退化し、株もとに痕跡状のものがわずかに見られる程度です。茎の断面は円形で直径は1から2センチメートルくらい。中にはスポンジのような白い「髄」が詰まっています。茎に白や黄色の横じまが入るシマフトイ、白い縦じまが入るタテジマフトイなどの品種があり、観賞用に栽培されています。
・5から9月頃、茎の先に茶色い穂をつけます。ひとつひとつの小穂は長さ6から15ミリメートルほどの長楕円形です。先に雌しべを出し、ワンテンポ遅れて雄しべが顔を出します。雌しべの柱頭は白い糸状で2つに分かれています。
名前にイとつくものの…
イグサ(イ)はイグサ科の湿生植物。フトイはイグサ科では無くカヤツリグサ科ですが、どこかイグサに雰囲気が似ており、それでいて茎が太いことから、イグサの名前を借りるかたちで命名されました。カヤツリグサ科の中には、フトイの他にもイグサの名前を借りて、○○○イとついたものが少なくありません。ハリイ、マツバイ、ホタルイ、カンガレイ、サンカクイなどがその例です。
市内の分布状況
市内全域の湿地で、普通に見ることができます。
生育を脅かす要因
・乾燥化
・開発
市内全域の水辺にごく普通で、今のところ絶滅の心配はありません。ただ乾燥には弱く、さらに自生環境の湿地や沼は、埋め立てなどにより失われやすい場所です。
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