サンカクイ(三角藺)(カヤツリグサ科フトイ属)
サンカクイ(三角藺)(カヤツリグサ科フトイ属)
自生環境
湿地、水辺 など
原産地
日本在来
特徴
- 日当たりのよい湿地や水辺に生える多年草です。地下茎を横に長くのばしながら広がっていきます。地下茎の節々から茎を1本ずつ立ち上げるため、株状にはなりません。
- 茎の断面が三角形で、それが名前の由来となっています。茎の高さは50センチメートルから130センチメートルほどで、夏から秋にかけて、茎の上端に花の穂をつけます。葉は退化し、茎のつけ根に痕跡状のものが確認できる程度です。茎の先に、葉が変化してできた苞葉がつきます。苞葉は茎の続きのような姿で、先は鋭くとがります。この様子からサギノシリサシという異名があります。
- 小穂は茶色で細長い卵のような形。花序枝の先に1個から3個ずつつきます。最初に雌しべが出て、少し遅れてから雄しべが顔を出します。雌しべの柱頭は2つに分かれています。
雌しべの柱頭に注目
フトイは自家受粉を防ぐために、先に雌しべを出して、ほかの株からの花粉をつけた後、少し遅れて雄しべを出します。雌しべの柱頭は白い糸状で、フトイでは先が2つに分かれています。そしてこの柱頭が、2つに分かれるのか(2岐)、3つに分かれるのか(3岐)は、カヤツリグサ科植物の重要な見分けポイントとなっています。この仲間の植物を見つけたらルーペで柱頭を観察してみましょう。
市内の分布状況
市内全域の湿地で、普通に見ることができます。
生育を脅かす要因
- 乾燥化
- 開発
市内全域の水辺にごく普通で、今のところ絶滅の心配はありません。ただ乾燥には弱く、さらに自生環境の湿地や沼は、埋め立てなどにより失われやすい場所です。
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