アゼナルコ(畔鳴子)(カヤツリグサ科スゲ属)
アゼナルコ(畔鳴子)(カヤツリグサ科スゲ属)
自生環境
湿地、水辺、河川敷 など
原産地
日本在来
特徴
- 市内で最も普通に見られる湿地性スゲのひとつで、水辺の日当たりの良い場所にたくさん生えています。地下茎を出さず「株立ち」になります。多年草で、しばしばかなりの大株になります。
- 葉の幅は4ミリメートルから10ミリメートルくらい。じゅうぶんに育った葉はやや黄色みがかった緑色で、裏側は白くなりません。春から初夏にかけて、茎の先に長さ3センチメートルから6センチメートルくらいの円柱形の小穂が数本垂れさがるようにつきます。この小穂を鳴子(鳥を追い払う道具)に見立てたのが名前の由来です。
- 小穂のうち、茎の一番先にある1本は、雄花と雌花が混じりますが、それ以外は雌花のみからなります。雌花の柱頭は2本に分かれます。タネを包む果胞は平たく、先がわずかにとがります。表面をよく見ると白い粉のような突起がたくさんあります。
覚えておきたいスゲのひとつ
スゲの仲間は日本に約270種類あり、それ専用の厚い図鑑もあります。市内にもさまざまな種類のスゲが見られますが、いかんせん種類が多く、どれもよく似ているため、観察時のハードルは高めかもしれません。そこでまずは遭遇頻度が高く、見分けやすい種類から入るのがおススメです。中でもアゼナルコは水辺を代表するスゲのひとつなので、最初に押さえておきたいところです。
市内の分布状況
市内全域の湿地や水辺にごく普通に生えています。
生育を脅かす要因
- 乾燥化
湿地や水辺にごく普通で数も多く、今のところ絶滅の心配はありません。ただ水辺の植物なので乾燥にはあまり強くなく、土の乾燥化が進行すると姿を消す傾向にあります。
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