コケオトギリ(苔弟切)(オトギリソウ科オトギリソウ属)
コケオトギリ(苔弟切)(オトギリソウ科オトギリソウ属)
自生環境
湿地、あぜ など
原産地
日本在来
特徴
- 日当たりの良い湿った場所に生える、小さな1年草です。茎は細く、いくつも枝分かれしながら高さ3センチメートルから10センチメートルほどになります。名前は「苔のように小さなオトギリソウ」という意味があります。ただ生える環境によっては、背が高くなって30センチメートルくらいになることもあります。
- 夏から秋、茎の先に直径5ミリメートルから8ミリメートルほどの小さな黄色い花を咲かせます。花は朝開き、午前中のうちには閉じてしまいます。雄しべは5本から10本ほどで、束にはならず、バラバラにつきます。花のすぐ下に「苞葉」がありますが、コケオトギリでは、葉と苞葉のかたちはほぼ同じです。
- 晩秋になると、草全体が真っ赤に色づいて「草もみじ」となります。また葉のわきに「むかご」をつくり、これが地面に落ちると来年用の子株になります。
葉の黒点と明点にも注目
オトギリソウの仲間は、葉などに黒点や明点があり、その有無が、見分けポイントのひとつにもなっています。ちなみに明点は黒くない点で、光に透かすと、明るく白っぽい点に見えるものです。コケオトギリの葉には黒点はなく、明点があります。
ちなみにオトギリソウの黒点には、「鷹匠が秘密をもらした弟を斬ったときに飛び散った血しぶきが残ったもの」という伝説があります。
市内の分布状況
市内全域に分布し、日当たりの良い湿った場所にたくさん生えています。
生育を脅かす要因
- 競合
- 開発
- 農薬
身近な場所に生えるため、土地の開発やアスファルト化、除草剤の使用など、人間活動の影響を受けやすい傾向にあります。また背の高い草との競争にはあまり強くありません。
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