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太陽と体の関係(市報のだ9月15日号掲載)

ページ番号 1023775 更新日  令和1年12月27日 印刷

柳田先生
(監修:柳田信也先生)

東京理科大学の准教授、柳田信也先生にお聞きしました。

秋が深まるとともに日照時間も短くなり、太陽の日差しが恋しく感じられる季節になってきました。爽やかな太陽光を浴びるとこころが洗われるような気持ちになるものです。驚くべきことに、太陽の光は気分的な側面だけでなく、私たちの身体機能にも大きな影響をもたらすことがわかっています。

太陽と健康

古くから太陽の光と私たちの生体機能の関係性については多くの研究が行われてきました。さまざまな体内物質との関連が示唆されていますが、ここでは特にセロトニンに注目をしてみたいと思います。

太陽の光とセロトニン神経

私たちの脳の奥深く、中脳や脳幹と呼ばれる部分に存在する背側縫線核という神経細胞の集まりがあります。この神経細胞群では、神経伝達物質“セロトニン”が合成されています。このセロトニンは、私たちのこころとからだの安定に非常に重要な働きを持っていることがわかっています。特に、脳内のセロトニンが欠乏することで、不安障がいやうつ病、ストレス関連疾患にかかりやすくなることがわかっています。また、睡眠や痛みの抑制、姿勢の制御などにも深くかかわることがわかっており、ストレス社会と呼ばれて久しい現代において、その働きに注目が集まる物質であるといえるでしょう。

さて、実はこのセロトニン神経と太陽の光が関連することがわかっています。セロトニン神経の働きは、主に昼間の時間帯に起こります。むしろ、私たちが目を覚まして活動をしている状態はセロトニンがきちんと働いているからであるということができます。このセロトニンによる目を覚ますような働きは、アドレナリンなどの興奮を伴う覚醒ではなく、爽やかでクールな覚醒状態であると言われています。この朝の目覚め、クールな覚醒状態はしっかりと太陽の光を浴びることによってセロトニン神経にスイッチが入ることで制御されていることがわかっています。光をまったく浴びない状態で飼育された実験動物においては、睡眠と覚醒のサイクルがおかしくなることが報告されております。これは、覚醒を促すセロトニンが夜になるとメラトニンという物質に置き換わることで睡眠が導入されるというリズムがあるためです。つまり、昼間にセロトニンが充分に作られることで、安眠のホルモンであるメラトニンが作られるという一連の流れがあり、セロトニンが作られない状態では、眠りのホルモンも作られないということができます。睡眠は私たちの生命を維持するために必須な活動です。身体の疲れを癒すこと、傷ついた細胞を守ること、記憶を固めることなど、さまざまな活動が睡眠中に行われています。朝の太陽の光が重要であることの最も大きな理由はこの点にあるといっても良いかと思います。太陽の光は私たちの健康のスイッチであると言えるでしょう。

太陽の光

セロトニン神経系の活性化(禅とセロトニン)

こころとからだの健康に重要なセロトニン神経の働きに太陽の光を浴びることが重要だと述べて参りました。実は太陽の光以外にもセロトニンの働きを高めるものがいくつかあります。まずは、呼吸です。呼吸といってもただ呼吸をすればよいというわけではありません。

セロトニン神経の活性化のためには、座禅のような呼吸、いわゆる腹式呼吸が必要です。紀元前、インドのお釈迦様は厳しい修行の末に座禅こそが無常心を得るための神髄だと悟りました。釈迦の直接経典のひとつである『雑阿含経』の中には、「弟子たちよ、入息出息を念ずることを実習するがよい。かくするならば、体は疲れず、目も患まず、観へるままに楽しみて住み、あだなる楽しみに染まぬことを覚えるであろう。かように入息出息法を修めるならば、大いなる果と、大いなる福利を得るであろう。」という一説があります。入息出息ですので呼吸に他なりません。呼吸によって、こころもからだもリフレッシュされ、幸せな生活が待っているとお釈迦様は経典の中に記しています。

座禅

時代は進み、2000年ごろ、日本におけるセロトニン研究の第一人者、東邦大学の有田秀穂先生はセロトニンの活性化と呼吸法に注目をし、さまざまな実験的検討を行いました。セロトニンの持つ生理学的な働きとお釈迦様の言う禅によって得られる無常心に類似点が多くみられたためです。実験の結果、座禅を基にした呼吸法によって、セロトニン神経が活性化されることが見事に証明されました。紀元前の宗教的な教義と現代の科学が繋がったことは驚きを隠せません。セロトニンを活性化するための呼吸法は、ただ腹式呼吸をすればよいのではなく、へそ下三寸(おへそから指三本分ぐらいした)にある丹田というツボに意識を集中し、白壁に向かって、ただただ呼吸(お腹の動き)だけに集中をするというものです。呼吸だけに意識を集中していると気が付けばスッキリとした気分になっていることでしょう。その時、まさに脳の中でセロトニン神経が活性化されていると言えます。

呼吸法とセロトニン神経

その2

食事や運動とセロトニン神経

脳の中の物質というと食事などでは変化しないようなイメージがあるかもしれません。しかし、私たちの身体の構成要素は食事から摂取する栄養素から作られるものです。セロトニンを脳の中で合成するために必要な材料も食事から摂取しなければなりません。セロトニンの材料は、トリプトファンというアミノ酸です。トリプトファンは必須アミノ酸と呼ばれる、身体の外から摂取をすることによってのみ体内に存在することができるアミノ酸のひとつです。乳製品や肉類、豆類などに多く含まれていると言われています。

セロトニン神経を鍛える方法(食事)

特にトリプトファンが多い食品は、ひまわりの種であると言われています。日本人にはあまりなじみがなく、ハムスターのエサという印象が強いかもしれませんが、アメリカや東南アジア地域ではよく食べられる食品で、特にスポーツ場面でよく食べられています。アメリカメジャーリーグでは、以前は試合中の選手がベンチでひまわりの種を食べていることが多く、ベンチ中がひまわりの種のカスだらけであったと言われています。また、スポーツ観戦のお供になることも多いようです。

ひまわりの種

セロトニン神経の働きを良くする方法のうち、最も大切なものを最後に述べます。それば運動です。どのような運動でも良いわけではなく、ジョギングやウオーキング、ダンスなどのリズムのある運動に大きな効果がみられます。私たちの研究室で行った実験においても、ラットに輪回し運動(ハムスターがくるくる走っているようなおもちゃ)でリズムのある運動を行わせると、セロトニン神経の活動性が6倍近く増加することがわかりました。実際にリズム運動とセロトニン神経の活性化が証明された貴重な実験データであると思っています。

また、このリズム運動には咀嚼も含まれることがわかり、大変興味深い研究データであると考えています。ガムなどを噛むとストレス緩和効果やリラックス効果があると言われていますが、一定のリズムで咀嚼に必要な筋を運動させることによって、セロトニンの働きが良くなり、気分の安定に繋がっているのかもしれません。メジャーリーグなどの選手が、ベンチでとても大きなガムを試合中に噛んでいる姿を頻繁に目にするのではないでしょうか?大変興味深いことに、一流のアスリートたちは経験的に噛むことがリラックス効果をもたらすと知っていたと考えられます。また、前述したとおり、トリプトファンのたくさん含まれたひまわりの種はメジャーリーガーたちの好物であったと言われています。ひまわりの種は、周りの殻が非常に硬く、その硬い殻をよく噛んでいるうちに、芯の部分が中身として出てきて、その芯を食べます。つまり、よく噛んで食べないといけない食品です。こじつけのようにも聞こえるかもしれませんが、“噛むこと”+“トリプトファン”=セロトニン神経の活性という構図を当てはめることができます。科学と経験が繋がる不思議な話は少なくありませんし、古くから慣習として行われてきた行動には何らかの意味があると言えるかもしれません。いずれにせよ、適切な栄養素をよく噛んで摂取することの重要性を違った角度から証明することに貢献できるのではないかと思います。

その4

まとめ

私たちのこころとからだを健全に保つ、セロトニン神経の働きを高めるために必要な行動は、太陽の光を浴びること、よく噛んで食事をすること、ゆっくりとお腹で呼吸をすることなど特別なものは何もありません。しかし、24時間型の社会の中で一日中、外に出ずとも物は届き、生活が成り立つのが現代です。当たり前なことが特別なことにならないようにしたいものです。朝起きたらカーテンを開けて太陽の光を浴びて目一杯に深呼吸をしましょう。そして、よく噛んでバランスよく朝食を取り、リズムよく散歩をするだけでこころとからだは健やかになります。

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