ムラサキマムシグサ(紫蝮草)(サトイモ科テンナンショウ属)
ムラサキマムシグサ(紫蝮草)(サトイモ科テンナンショウ属)
自生環境
山林
原産地
日本在来
特徴
- 山地の林内に生える多年草です。土の中にいわゆるイモ(球茎)ができますが、これは有毒です。春になると角のような芽を出し、葉の展開とともに茎の先に花を咲かせます。葉は2枚で、根もとの「葉鞘」が筒状に花茎の下のほうを包こます。この部分のまだら模様をマムシに見立てたのが名前の由来です。
- 花の穂は「苞」に包まれています。苞は紫がかった色で、まるで蛇が口を開けたような形をしています。雌株はトウモロコシのような形の果実ができ、秋になると真っ赤に色づきます。
- マムシグサの仲間は、同じ種類でも株ごとに個性が見られるうえに、地域変異が多くて、分類はとても厄介です。野田市内で見られるものは、ムラサキマムシグサと、その苞が緑色の品種カントウマムシグサの2つと考えられますが、今後の研究によっては変わる可能性があります。
トピックスタイトル(特定の種別のクローズアップ)
体力に応じて性転換
マムシグサには、雄株と雌株があります。とはいえ、1つの株がずっと同じ性ではなく、栄養状態に応じて自在に性転換を行います。植物がタネをつくるというのは、とても体力を消耗する作業です。しっかりしたタネを残すためには、体力が充実している必要があります。そこでマムシグサは、体力が充実している年は雌株になってタネをつくり、それ以外の年は雄株として過ごし体力を温存するのです。
市内の分布状況
旧野田市内の山林内に見られますが、森林伐採などの影響で見られる場所は少なくなってきています。
生育を脅かす要因
- 開発
- 荒廃
やや自然度の高い山林に生えます。ただ最近はササ類の繁茂や不法投棄で林内が荒れたり、山林そのものが開発されたりと、市内の生育状況はあまり良好とは言えません。
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