マコモ(真菰)(イネ科マコモ属)
マコモ(真菰)(イネ科マコモ属)
自生環境
水路、池、湿地 など
原産地
日本在来
特徴
- 水辺に群生する多年草です。そこそこの水深(数十センチメートル程度)があるような場所で水につかるようにして生えています。とても大きな草で、草丈は2メートルにも達することがあります。泥の中に地下茎を長く張り巡らせて旺盛に繁茂しますが、水生生物にとって大切な生活の場となっています。
- 夏から秋にかけ、50センチメートルにもなる大きな花の穂をつけます。雌雄同株ですが、雄花と雌花に分かれます。穂の下部には雄花の穂が、上部には雌花の穂がつきます。
- コモ(薦・菰)とも呼ばれ、古くから人々の生活の中で活用されてきた草のひとつです。万葉集や日本書記などの古典文学作品にもたびたび登場します。刈り取った葉でむしろを編んだり、タネを米や麦に混ぜて食べたりしたと言います。
マコモタケの正体
中華料理に使われるマコモタケ。真っ白でやわらかく、淡白な味が魅力の野菜です。これは、マコモに黒穂菌と呼ばれる菌類の一種が感染した結果、茎や新芽が膨らんだものです。日本に自生するマコモにはできにくいのですが、栽培種のヒロハマコモと呼ばれる系統は、黒穂菌がよく感染し、マコモタケができます。なお黒穂菌の胞子は真っ黒で、古くは眉墨や顔料などに使われました。
市内の分布状況
水路や池のまわりなど、そこそこの水深がある場所で、普通に見ることができます。
生育を脅かす要因
- 今のところ特になし
市内全域にごく普通で、今のところ絶滅の心配はありません。しかし目の敵にしすぎるのは考えもの。地域に育つ野の花として、やさしく見守る気持ちを大切にしたいところです。
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