シリーズ9 古い歴史を持つオビシャ行事

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ページ番号 1037083 更新日  令和5年4月1日 印刷 大きな文字で印刷

丸2
船形香取神社御社擅御膳献上式(市指定文化財)
丸1
弓射(木野崎の香取神社)
1
上谷女體神社
1
下谷女體神社

オビシャは、利根川流域などで行われる新春行事で、かつては市内の農村部のほとんどの集落で行われていました。

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年明けから2月頃にかけて、利根川流域の千葉県や埼玉県、茨城県などで広く行われているオビシャという年中行事があります。市域のほとんどの集落でも、八幡ビシャや天神ビシャ、稲荷ビシャなどと呼ばれる行事が行われてきました。
年始の神社に人々が集まり、弓矢を使って的を射る弓射の儀式を伴うことがよく知られており、オビシャの語源は馬上から弓を射る流鏑馬のような騎射に対する、馬を用いず徒歩で弓を射る徒弓の「歩射」だとする説もあることから、矢の当たり具合でその年の吉凶や作物の収量を占う儀式とも考えられてきましたが、実際のオビシャの内容は多彩で、市内でも弓射の儀式を行わないオビシャが大半です。オビシャ行事の中で、重要な要素の1つと考えられるものとしてトウ渡しと呼ばれる儀式があります。これは一般にオビシャの準備や進行を受け持つ家(頭家・宿)や当番の組などを、次の家や当番に引き継ぐための儀式です。引き継ぎにあたっては厳格に決められた作法に則り、御神酒を酌み交わす盃事などが行われます。このとき、オトウなどと呼ばれる木箱が引き渡されます。多くの場合この木箱に、オビシャ儀式や賄いに関する書付け、参加する人々(ビシャ講の講員)の名簿などが入っており、次の当番へと引き継がれます。オトウ自体が御神体のように扱われている例もありますが、近年ではこの書付けがオビシャと村の人々の歴史を記録した貴重な史料、オビシャ文書として注目されています。市外には約400年前の江戸時代初期の記録が残されていた例もあるそうです。
市内では、木野崎の香取神社や東宝珠花の日枝神社、今上上谷と下谷の女體神社に弓射を行うオビシャが残っています。また、船形の香取神社で行われるオビシャは、古式に則って20種以上の山野菜や魚などを神饌として供える行事で、船形香取神社御社擅御膳献上式の名前で野田市無形民俗文化財の指定を受けています。
【参考文献】阿南透「オビシャ研究史」『野田市史研究』第9号1998年、千葉県立関宿城博物館編『オビシャはつづくよ400年 年のはじめの村まつり』2019年
 

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