シリーズ31 野田市に電気が灯った日


野田の魅力を発見!!
江戸時代にオランダからエレキテルが伝来し、平賀源内が静電気の実験を行いましたが、私たちの生活に電気による電灯照明が利用されたのは、明治時代になってからです。
日本で最初に設立された電気事業者は、東京電灯株式会社(現在の東京電力ホールディングス株式会社)です。明治20(1887)年に現在の東京都中央区日本橋茅場町に石炭火力発電所が設置され、電気供給が始まり、出力は25キロワットでしたが、直流発電システムのため短距離しか電気を送ることができませんでした。明治40年に交流発電システムが採用されると、長距離送電できるようになりました。
千葉県では、明治40年に千葉電灯が火力発電を開始し、次第に電気が普及し始めます。
野田市には、明治44年、現在の有吉町通り沿い(野田236番地)に野田電気株式会社が設立されました。発電はコークスや木炭を燃料とするサクションガス機関による火力発電所で、75キロワットの出力でした。代表取締役社長は福澤諭吉の婿養子である福澤桃介でした。彼は日本各地で電気事業を手掛けたことから電気王と呼ばれていました。
しかし、石炭価格高騰や水力発電との価格競争で、野田電気の稼働は7年間で終わり、日本電力、下野電力、帝国電灯、東京電灯、関東配電、東京電力、東京電力ホールディングスへと引き継がれました。
【参考文献】千葉県史料研究財団『千葉県の歴史資料編近現代5』(2001)、東京電力株式会社『関東の電気事業と東京電力』(2002)、千葉県史料研究財団『千葉県の歴史通史編近現代3』(2009)、野田市『野田市史資料編近現代1』(2012)、千葉県文書館『企画展 日記のなかの関東大震災』(2023)、中臺綾子『私の街に電気が来た日一千葉県の電気事業一』(2024)
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