ヌスビトハギ(盗人萩)(マメ科ヌスビトハギ属)
ヌスビトハギ(盗人萩)(マメ科ヌスビトハギ属)
自生環境
林内、林縁、草地
原産地
日本在来
特徴
- 林とその周辺に生えますが、自然が残されたような場所を選ぶ傾向があり、住宅地や街中にはあまり見られません。マメ科の多年草で、草丈は1メートル前後になり、夏から秋にかけて花の穂を何本ものばします。
- 花後にできる果実は、まるでサングラスのような形をしています。中のタネが熟すとくびれた部分がはずれ、1つずつ分離します。果実の表面には先がかぎ爪になった微細な毛がびっしりと生えていて、さわるとべたべたして動物の毛や洋服によくくっつきます。
- 名前の由来は、まるで泥棒がとりつくかのごとく果実がくっつくことから、または果実の形がつま先でそろそろと歩く盗人の足跡のように見えることからなど、いくつかの説があります。
果実がくっつくしくみ
ヌスビトハギの果実はさわるとべたべたしていますが、特にべたべたする物質を出しているわけではありません。果実の表面には、肉眼では見えないくらい小さな刺がびっしりと生えていて、その先端がかぎ爪になっています。このかぎ爪が肌に引っかかるために、べたべたするように感じられるのです。ヌスビトハギの果実を入手する機会があったら、ルーペなどで表面を観察してみましょう。
市内の分布状況
マップに示すのは代表的な自生地です。これ以外の場所でも林の周辺で見つけることができます。
生育を脅かす要因
- 開発
- 荒廃
林のまわりに生える植物なので、伐採や土地改変、ササ等の繁茂が進むと消滅してしまう恐れがあります。また、林の縁や林道沿いの過度な除草も、数を減らす要因となります。
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