ヤブカンゾウ(藪萱草)(ススキノキ科 ワスレグサ属)
ヤブカンゾウ(藪萱草)(ススキノキ科 ワスレグサ属)
自生環境
土手、林縁、野原 など
原産地
日本在来
特徴
- 土手や野原、林縁などの日当たりの良い場所に多く生える多年草です。地下茎で横に広がっていくため、しばしば群生します。従来はユリ科に分類されていましたが、DNA解析をもとに分類が見直された結果、現在はススキノキ科になっています。
- 6月から9月ごろ、数十センチメートルほどの茎がのびて、その先に直径8センチメートルほどの大きなオレンジ色の花を咲かせます。雄しべが花びらに変化して、八重咲きの花になります。果実はできません。
- 葉は先がとがった細長い形で、その長さは50センチメートルにもなります。冬になるといったん葉は枯れますが、春になると再び芽吹いてきます。この新芽は茹でるとぬめりがあって美味しく、山菜として人気があります。同じ仲間のノカンゾウは芽吹きの段階ではヤブカンゾウとの識別が困難ですが、同様に食べられます。
甘草ではありません
ヤブカンゾウやノカンゾウ、ハマカンゾウなどは、総称して「カンゾウ」と呼ばれています。カンゾウと聞くと、漢方薬にも使われる甘草を連想しがちですが、漢字で書くと萱草で、発音がたまたま同じなだけで、まったくの別物です。漢方薬のカンゾウ(甘草)は、マメ科カンゾウ属(Glycyrrhiza)に分類されるウラルカンゾウまたはスペインカンゾウで、根が生薬として利用されています。
市内の分布状況
市内全域でごく普通に見ることができます。ただし街中には少ないようです。
生育を脅かす要因
- 今のところ特になし
市内全域にごく普通で、今のところ絶滅の心配はありません。しかし目の敵にしすぎるのは考えもの。地域に咲く野の花として、やさしく見守る気持ちを大切にしたいところです。
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