ヒデリコ(日照子)(カヤツリグサ科テンツキ属)
ヒデリコ(日照子)(カヤツリグサ科テンツキ属)
自生環境
水田、湿地 など
原産地
日本在来
特徴
- いわゆる「水田雑草」のひとつで、水田とその周辺でごく普通に見られる1年草です。草丈はふつう30センチメートルから40センチメートルほどになりますが、稲刈り後の水田では10センチメートルにも満たない姿で穂を出していることもあります。
- 夏から秋にかけて茎の先に、直径は3ミリメートルから4ミリメートルほどの丸っこい小穂がたくさんつきます。小穂から飛び出している白い糸状のものは雌しべの柱頭で、柱頭の先は3つに分かれています。タネの大きさは0.6ミリメートルほどでルーペで見ると表面に粒状のものがポチポチとついています。
- ヒデリコを漢字で書くと「日照子」です。これは、夏の日照りにも負けずに元気に葉を広げている様子から来ています。
見えているのはウラ面だけ
ヒデリコの葉は真ん中から2つに折りたたまれており、オモテ面は内側に隠れて外から見ることはできません。外から見えている部分は、どちらもウラ面で、このような葉を「単面葉」と言います。アヤメやショウブなどにも見られる形態です。
ちなみに、ヒデリコの株もとはとても平たくなっています。また葉先が長く鋭くとがり、日本刀のように見える「剣形」と呼ばれるかたちをしています。
市内の分布状況
市内全域に分布。水田のまわりで、ごく普通に見ることができます。
生育を脅かす要因
- 農薬
水田周辺でごく普通に見られ、今のところ絶滅の心配はありません。ただし、今後のちょっとした環境の変化が引き金となって急減する可能性もあるので動向には留意が必要です。
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