ノミノフスマ(蚤の衾)(ナデシコ科ハコベ属)
ノミノフスマ(蚤の衾)(ナデシコ科ハコベ属)
自生環境
水田、野原 など
原産地
日本在来
特徴
- 日当たりのよい湿った場所にごく普通に生える1年から越年草です。特に水田に多く、田起こし前にはタネツケバナとともに白い花畑をつくっていることもあります。分類上は、春の七草のハコベと同じ仲間です。
- 花畑になるほどよく咲くのは春先ですが、それ以外の季節にも咲いている姿を見かけます。花びらは5枚ですが、ブイ字形に深く切れ込むため、まるで10枚あるように見えます。気温の高い時期は、花びらが小さくなって枚数が減ることもあります。無花弁になることも珍しくありません。
- 果実はがくに包まれたままぷっくりと膨らみます。成熟するとまるで緑色の花が開いたかのように5つに割れて、中から小さなタネが多数こぼれ落ちます。
名前のフスマの正体は?
名前のフスマは、和室の扉の「襖」ではなく、「衾」のことです。衾は長方形の布でできた寝具で、今でいうところの掛布団に相当するものです。ノミノフスマは葉が細長いため、昔の人は衾を連想したのでしょう。さらにサイズが小さいため、ノミが使うだろうとして「ノミの衾」となったのです。オオヤマフスマやメアカンフスマなど、ナデシコ科の草花にはフスマの名前が付くものがほかにも何種類かあります。
市内の分布状況
市内全域、湿った場所でごく普通に見られます。
生育を脅かす要因
・農薬
市内全域に生え、数も多いため、今のところ絶滅の心配はありません。ただ、生えている場所柄、除草剤散布など人間活動の影響を受けやすいと考えられます。
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