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冷え症の解消 ストレッチのすすめ(市報のだ1月15日号掲載)

ページ番号 1024803 更新日  令和2年9月11日 印刷

柳田先生
監修:柳田信也先生

東京理科大学の准教授、柳田信也先生にお聞きしました。

一般的に冷え症とは、神経機能やホルモン分泌機能の乱れなどから血液の流れが悪くなることなどが原因となり、体温調節に重要な血液が毛細血管まで充分に行きわたらず、手足などの皮膚温度が下がってしまう症状であると考えられています。通常は一定に保たれるはずの体温がさまざまな理由でうまく調整されない状態になっていると考えられますので、血流を促進するような運動、例えばストレッチなどによって改善することができるかもしれない症状です。

体温調節機能と冷え症

私たちの体温は外部環境によって大きく変動することはなく、気温が変化しても一定の体温に保たれていることはこのコラムでも紹介してきました。特に身体の内部の温度、深部体温は、よほどのことがない限りは変動することなく一定に保たれています。一方で、私たちの皮膚の温度は、血液の流れる量を変化させたり、汗をかいたりすることで、若干のゆらぎを持ちながら一定のレベルに保たれています。この皮膚温度のゆらぎは、深部体温を常に維持しようとする恒常性を保つための機能のひとつです。例えば、「寒い」と感じる場合、皮膚の冷感受性ニューロン(冷たさのセンサー)からの情報が脳の体温調節の中枢である視床下部に伝えられ、自律神経やホルモンの働きで、体温を下げないように“熱を作る働き”と“熱を逃がさない働き”が始まります。熱を作る働きは、意識的にも無意識的にも起こる“ふるえ”が主なものとなります。一方で、熱を逃がさない働きとしては、皮膚の表面から熱が外に逃げないようにするために、血管を収縮(細く)させて、温かい血液を身体の表面上(冷たい外気)に近づけないようにすることがあります。逆に、暑くて体温が上がりそうなときには血管を広げてたくさんの血液を皮膚の表面近くに流して、熱を皮膚から外部へ逃がしたり、汗をかいて蒸発させたりすることで体温を下げるように働きます。
外気の温度が低い冬場などにおいては、直接的に熱が外から奪われるため、ある程度の皮膚温度の低下は致し方ありません。かなり古い研究の結果になりますが、ヒトはさまざまな温度に曝されると皮膚温度が環境温度によって変化し、手や足は非常にその影響を受けやすい部位であるということがわかっています。つまり、寒い環境に長い時間いたときに、手や足から冷えるように感じるのは正常な反応であると言えます(下図)。通常は、前述したようにふるえが起きたり、手足を温める行動を起こしたりして、体温調節機能を働かせて皮膚の温度を保つように熱が作られるはずです。ところが、外気の影響がそれほど強くない場合でも、外気の影響の範囲を超えるほどの皮膚の冷えが慢性的に起こることがあるようです。これが一般的に冷え症と呼ばれている症状かと思われます。

図1
Hardyら、Journal of Nutrision(1938)のデータから筆者が作図

冷え症は決して少数派ではない

冷え症は、身体の正常機能としての体温を調節する仕組みに何らかの異常が起こっていることが原因であると考えられます。“夏なのに身体が冷えているように感じる”ことや、“手足だけが異常に冷たく感じる”などの症状があり、少しぐらい身体を動かしてもこれが改善されない場合は冷え症に当てはまるかもしれません。どうやらこのような症状を感じている人は決して少なくないようです。
大規模なインターネット調査の結果(マイボイスコム株式会社調べ)によると、44%の人が冷え症を訴えていることがわかりました。半分近い人が症状を訴えているということは極めて高い確率であると考えられます。また、この調査と比べると小規模ではあるものの、Rinnai社の調査(n=400人)によると、実に女性の8割が何らかの冷え症に関する症状を持っていると回答しています。また、このRinnai社の調査では、最も冷えを感じる部位は足先、次いで手先であることがわかりました。先ほどのHardyらの研究成果に示されたように生理学的にも皮膚温が下がりやすい場所から影響が出やすいようです。

図2
「MyVoice 」(マイボスコム株式会社)のインターネット調査より筆者が作図

冷え症の原因は?

冷え症の原因となるような、体温調節機能に影響を及ぼす要因は次のようなものが考えられます。

  • 自律神経機能
  • ホルモンバランス
  • 血液循環
  • 皮膚感覚の鈍化
  • 筋肉量の低下

これらの5つの要因は、それぞれが密接なつながりを持つと考えられます(下図)。日常生活におけるストレスや寝不足などの生活習慣の乱れによって、自律神経やホルモン分泌機能をかく乱することや、加齢や栄養不足などによる皮膚の温度感覚や筋肉量の低下することよって、血液循環が悪化することで冷え症の一因となるという一連の流れがあると考えられます。
ストレスを溜めないようにすることや生活習慣の乱れを少なくすることはある程度までは意図的に努力することができます。しかし、私たちは加齢にだけは抗うことができません。一方で、加齢に伴う身体機能の低下、特に筋力や筋肉量の減少をできるだけ少なくすることが可能であることは皆さんもよくご存じかと思います。つまり、冷え症解消のポイントは運動や栄養などの一般的な健康法と同様と言える可能性が考えられます。
特に筋肉量の低下を防ぐことは、毛細血管の数や血流を保つために重要な要素であることがわかっています。狩野ら(「運動と循環」2.‐5:加齢およびトレーニングに伴う血管系の変化,2)筋活動と毛細血管形態の関連性,NAP社)の研究成果によると、筋肉の周りに存在する毛細血管の数は加齢によって大きく減少しないことが報告されています。つまり、加齢に伴う血液循環の悪化は、毛細血管などの機能や形態が加齢によって減少するのではなく、筋肉自体が減少することに付随的に起こるものであり、筋肉量を維持すれば血管や血流も維持されると考えることができます。筋肉量を維持することの意味がこんなところにもあると思うと驚かれるような事実ではないかと思います。大動脈などの太い血管の弾性(柔軟性)は加齢ともに硬化する(いわゆる動脈硬化)ため、血圧の上昇などの加齢変化は認められますが、筋肉量をしっかりと維持することで血管も維持され、血流や体温調節機能の向上も見込まれることは極めて興味深い内容です。血管は身体にとって必要なものを運ぶ道路のようなものですので、「必要なところに道は拓かれる」ということでしょうか。

冷え性

ストレッチと血流

血液循環の悪化やそれに伴う冷え症の予防として、筋肉量を増やすことが効果的であることを述べてきました。そうはいっても筋肉を増やすような運動を生活の中に取り入れることは急にできることではないかもしれません。そこで、ストレッチを日常的に実践することをオススメします。一般的にストレッチとは、柔軟性を高める体操のようなものというイメージが強いかと推測されます。もちろん、関節の屈曲・伸展により筋や腱を伸ばすストレッチング(以下、ストレッチ)は、柔軟性の向上や関節可動域の拡大に効果があることは間違いありません。ところが、ストレッチには血液循環を促進する効果や体温を上昇させる効果も期待されるものです。厚生労働省は「健康づくりのための身体活動基準2013」や「健康づくりのための身体活動指針(アクティブガイド)」の中で、主運動に対する補助的な運動としてストレッチの効果を記載しているばかりではなく、何か他の生活活動を行いながら実施する「ながらストレッチ」も効果的な身体活動増加方法として推奨しています。また、「+10(プラス・テン)から始めよう!」をキーワードにして、今よりも10分多く身体を動かすことが推奨されるスマートライフプロジェクトにおいても、生活の中に取り入れることができる簡単な身体活動としてストレッチは効果的です。

図4
図 スマートライフプロジェクト 厚生労働省発行の月間ポスターより転載

このように誰でも簡単に実践できるストレッチが血液循環を促進する科学的根拠はたくさんあります。ストレッチをすると、筋肉の周りの毛細血管も引き伸ばされて、細くなることから一過性にその周辺の血流量は減少します。そして、その後、圧迫された場所に血流が圧迫前よりも増える現象(反応性充血)によってストレッチ前よりも血流量が増加することがわかっています(永澤ら,体育学研究56巻,2011年)。そして、この筋肉周辺の血流量の上昇は代謝を上げる手助けとなり、筋肉の温度が上昇することで体温の維持に役立つと考えられています。ウォーミングアップなどでストレッチをする際に、何となく身体が温まったような感覚を覚えるのは、この血流量の増加を感じ取っているものと思われます。

図5
図 ストレッチ前後の筋肉周辺の血流量の変化(永澤ら、2011より筆者が改変作図)

また、驚くべきことに柔軟性の高い高齢者は、動脈硬化の指標が改善することもわかっています(Yamamotoら,American Journal of Physiology Heart and Circulatory Physiology,297巻,2009年)。この研究では、動脈硬化の指標のひとつである上腕から足までの脈が伝わる速度を測定し、柔軟性の指標となる長座体前屈の記録との関係が調べられました。その結果、大変興味深いことに両データの間には相関関係が認められました。体幹部の柔軟性が動脈の硬さを低下させていると推測され、ストレッチの効果が期待されるものです。しかしながら、この結果は元々柔軟性が高い人が持っていた特徴かもしれませんので、ストレッチなどの努力で勝ち取れるものかどうかはさらなる検証が必要であると考えられます。いずれにしても、ストレッチを実践することに対する興味関心を高めるために非常に有益な研究結果であると思われます。

図6
図 柔軟性と動脈硬化レベルの相関関係(Dunnら、2005より筆者が改変作図)

ストレッチの波及的効果

今回は、冷え症の予防のための血液循環を改善する方法として、ストレッチの効果に注目しましたが、ストレッチには他にもたくさんの波及的な効果が期待できるものです。関節痛や腰痛の予防や治療として、リハビリなどでも頻繁に取り入れられているのはよくご存じではないかと思います。そればかりではなく、気分の高揚やリラックス効果が認められることや、それに関連して睡眠の質が向上することなどが学術的研究結果として多数報告されています。筋肉周辺の血流が良くなることで、全身の血液循環も改善され、脳血流にも好影響が及ぶのかもしれません。実際に、12週間のストレッチプログラムを実践すると、うつ病の症状が緩和していくことも報告され、ストレッチにはメンタルヘルス改善効果も期待されることが示唆されています(Dunnら,American Journal of Preventive Medicine,2005)。
ストレッチは、ウォーミングアップのひとつとしてケガの予防のために行っているものという認識が非常に強いと思います。ところが、意外なことに、捻挫や靱帯損傷などの傷害とストレッチはその予防における充分な因果関係が確立されていないという理論も多く存在します。「ケガをしないようにストレッチをしようね!」ではなく、「健康のためにストレッチをしましょう!!」の方が適切な言葉かけであると考えられるほど、ストレッチの健康増進効果は多角的なものであると言えます。市の実施するシルバーリハビリ体操などに積極的に参加して、おうちの中でも簡単に実践できるストレッチを体験してみましょう。

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